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【名曲探検】BUMP OF CHICKENの新曲“リボン”で綴られた4人の20年の冒険

5/2(火) 16:50配信

RO69(アールオーロック)

5月1日深夜0時から配信スタートしたBUMP OF CHICKENの新曲“リボン”を、このページを見ている方の多くがすでに繰り返し聴いていることと思う。
BUMP結成20周年イヤーの最後を飾る新曲として、今年2月10日に1曲限りのスタジオライブ生配信で初披露されてはいたし、そのタイミングでも「RO69+」ブログ欄でも触れた(http://ro69.jp/blog/ro69plus/156067)が、4人の歴史と現在と未来を紛れもない「2017年のBUMPの名曲」として響かせる藤原基央の才気に、改めて胸が震える。そんな1曲だ。

BUMP OF CHICKEN “リボン”
http://www.youtube.com/watch?v=6m3A1MP_gbU

《嵐の中を ここまで来たんだ》のフレーズが《船は今 嵐の真ん中で》という“グングニル”の歌詞を想起させる幕開けから、BUMPの20年史の名場面がカットアップされ、4人の歴史自体がひとつの壮大な物語として繰り広げられていく“リボン”。
《ポケットに勇気が ガラス玉ひとつ分》は“リトルブレイバー”(《そのポケットのスミを探すのさ きっと勇気のカケラが出てくるだろう》)や“カルマ”(《ガラス玉ひとつ 落とされた》)を連想させるし、《出会って生まれた光》は《それほど綺麗な 光に会えた》(“firefly”)の光景に通じるものだ。
他にも《手作りの地図》(“ロストマン”)、《汚れたカンテラ》(“ランプ”)、さらに《迷子》《野良猫》など、BUMPの歌の風景を彩ってきたイメージが、“リボン”の曲中には重要なモチーフとして次々に登場する。

しかし、この“リボン”という楽曲を真の名曲にしているのは、そんな「20年間の名場面がダイジェストされたスペシャル感」よりもむしろ、《たくさん笑ったり/それよりはるかに少ない/泣いたり怒ったりした事の全部が/音符になって繋がって 僕らを結んだ》という一節に象徴される通り、結成以来20年間の核心を藤原自身が今の視線からまっすぐ言い当てている、という点だろう。

《ポケットに恐怖が 宇宙と同じくらい/それぞれ持っている 宇宙と同じくらい》に続けて藤原が歌う《同じ時に震えたら 強くなれた/弱くなれた》という虚飾を排したフレーズは、幾多の挑戦に満ちたBUMP OF CHICKENという現在進行形の冒険譚を、ひとりではなくメンバーと一緒に闘い乗り越えてきた絆の手応えをリアルに感じさせる。
そして、20年間変わらず幼馴染同士のメンバーで、音楽シーンの荒波の最前線を歩み続けてきたというバンドの奇跡が、「ただの結果」でも偶発的なものでもなく、確固たる意志に基づいたものである――ということを、《僕らを結ぶリボンは/解けないわけじゃない 結んできたんだ》の言葉が明快に告げている。

《嵐の中を どこまでも行くんだ/赤い星並べてどこまでも行くんだ》――バンドのエンブレムに描かれた4つの《赤い星》を楽曲の最後に配した“リボン”。この楽曲の配信が、新たな全国アリーナツアーの告知とともにスタートしたことも見逃せない。
最新アルバム『BFLY』を携えて初のスタジアムツアー敢行!という祝祭感あふれる結成20周年のアニバーサリーイヤーを経て、21年目とその先の日々をも音楽の奇跡で満たしていこうとする藤原・増川・直井・升の決意が、“リボン”の澄んだ歌と音像から色濃く滲んでくるように思えて仕方がない。

アリーナツアーは2017年9月16日(土)~9月17日(日)の幕張メッセ公演を皮切りに来年1月まで続く。BUMPが音楽に刻む「これから」の景色を、もっとずっと見続けたい思う。(高橋智樹)

RO69(アールオーロック)