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看板の落下事故で考える、進む昭和のインフラの老朽化

5/5(金) 10:38配信

THE PAGE

 近年、全国で老朽化した看板が落下するという事故が多数発生しています。国土交通省は看板に関するガイドラインをまとめ自治体に対策を強化するよう求めていますが、あまりにも数が多すぎて対応できていないのが現状です。

各地で看板落下が相次ぐ

 4月10日、北海道帯広市にある信用金庫の看板が落下するという事故が発生しました。落下した看板は縦6メートル、横2メートル、重さは2トンもあり、10メートルの支柱の上に固定されていましたが、強風にあおられ溶接部分が折れて落下しました。直接の原因は強風ですが、看板は1973年に設置されたもので老朽化が進んでいたと考えられます。

 13日には函館市でアクリル製の看板が落下し、店から出てきた女性がケガをするという事故が発生。22日には東京・池袋でビルの5階部分に設置された看板が落下寸前となり、道路が封鎖されるという騒ぎが発生しました。

 実はこうしたトラブルは全国で多数発生しており、中には落下した部品が通行人を直撃し、意識不明の重体になったケースもあります。国土交通省は事態を重視し、対策に乗り出しましたが、状況はかなり厳しそうです。

 看板は各自治体が定める屋外広告物条例で規制されていますが、多くの自治体では、大きさや高さが一定以上のものについてのみ、定期的な安全点検を義務づけています。しかし、この規制に合致しない看板は設置者の自主的な管理に任されており実態が把握できていません。

 国交省は、専門家による点検の義務づけなどを盛り込んだガイドラインを策定し、各自治体に対して条例を改正するよう求めています。しかし専門家が不足していることなどから、条例の改正はあまり進んでいないようです。

老朽化が進む昭和のインフラ

 実はこうした問題は看板だけに限った話ではありません。昭和の時代に作られた社会的なインフラはすべて老朽化が進んでおり、その維持管理が困難になっています。本来であれば、時代の変化に早く気づき、新しい設備を導入するのではなく、すでにある設備を維持・活用していく方向に舵を切る必要がありましたが、右肩上がりの時代が忘れられず、新しい設備の導入を優先してきました。人口が減少し、経済力も落ちている現状を考えた場合、今後はリソースの多くを既存施設の維持・管理に回していくべきでしょう。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:5/11(木) 6:01
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