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女子のハートをわしづかみ! 星野源の「声」の魅力を分析してみた

5/3(水) 12:10配信

dmenu映画

ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」とその主題歌「恋」の大ヒットを受けて、小学生女子までが「カッコいい!」と憧れる存在になった星野源。そんな星野が今まで聞いたことのない新たな「声」を聞かせてくれているのが、公開中のアニメーション映画『夜は短し歩けよ乙女』だ。原作は森見登美彦による同名小説、監督は5月19日に新作『夜明け告げるルーのうた』も公開になるアニメ界の奇才・湯浅政明。

【画像】星野源のキュートな笑顔

実践に基づかない恋愛議論にふける、究極の草食系ダメ男

星野が演じているのは、京都のとある大学に通う「先輩」。彼は「黒髪の乙女」に好意を寄せているものの、高すぎる自意識のお陰で積極的な行動に出ることなど到底無理。実践に基づかない恋愛議論と、なるべく彼女の目にとまる=「ナカメ作戦」に時間を費やしている……現実世界では女子から決して愛されるはずのない草食系ダメ男だ。

酒豪で「オモチロイ」ことに目がない乙女の「目にとまる」ために、ひたすら彼女を追いかけてはドツボにハマってわめいている先輩の行動は、一歩間違えれば(いや、間違えなくとも!?)ただのストーカー。全編を通じて、困っているかわめいているか、早口で無駄な講釈を垂れているか…そんな先輩なのに、彼を観ているとなんとなくキュンキュンしてしまう。特に、劇中の大学祭で上演されるゲリラミュージカル「偏屈王」の舞台に殴り込み、主役の座を奪い取って奇妙な歌詞の曲を歌い上げるシーンは、先輩の動機が「乙女とキスしたい」という「中2か!?」と突っ込みたくなるほど不純なものだったとしても、俄然応援したくなるかわいらしさなのだ。

理屈っぽさと純粋さ、もろさと図々しさ……矛盾が溶け合う独特の声

見ている女子をそんな気持ちにさせるのは、上映開始1秒で異世界に連れて行ってくれる湯浅監督が作り上げた「森見ワールド」の魔法と、やはり星野源の「声」のお陰だろう。

思えば星野源は、「逃げ恥」だけでなく宮藤官九郎脚本のドラマ「11人もいる!」(大家族の大黒柱の弟で、無職の居候)でも、大河ドラマ「真田丸」(家康の長男・秀忠役。登場するたびに家康に一喝され凹みまくる)でも、「そりゃないぜ!」と言いたくなるようなダメ男を演じてきた。

だがしかし、本作に登場する星野の声は、数々の作品で聞かせてきたダメ男的な声とはやや趣が異なる。またアーティスト星野源として、恋人と髪の毛が臭いと笑い合う男子の本音を歌う繊細な声とも(「くだらないの中に」)、夫婦を超えろと歌うパワフルな声とも(「恋」)まったく違う。むしろ理屈っぽさと純粋さと、もろさと図々しさと、透明感と大学生男子特有の汚れきった感と、どうしようもないスケベ心とを持ち合わせた、まさに「先輩」としか言いようのない「声」なのだ。「ナカメ作戦」遂行中に、声をかけてくれた乙女に先輩が毎度口にする「たまたま通りかかったものだから!」というカッコつけた声からにじみ出る下心といったら! これだけで先輩を、そして星野源を愛さずにはいられなくなる。

「声の主」を想像させない、ロバート秋山の名演技

ちなみに、この物語にはもう一人、夢想好きの草食系ダメ男が登場する。その名も「パンツ総番長」。恋が実るまで「パンツをはきかえない!」という、現実世界では100m以内には絶対に近づきたくないような願掛けをしているのだが、映画の世界では彼も超キュート。声を担当したのは、ロバートの秋山竜次。星野と共に決して「声の主」の顔を想像させない名演技(ミュージカルシーンは必聴!)を披露している。新たな驚きと共に耳に飛び込んでくる彼らの「声」の魅力を、是非堪能してほしい!

文=須藤美紀/Avanti Press

最終更新:5/3(水) 12:10
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