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ベネズエラ=大統領が人民憲法制定発表=選挙実施の可能性は潰れる=ブラジルなどを内政干渉と糾弾

5/3(水) 5:58配信

ニッケイ新聞

 ベネズエラのニコラス・マドゥーロ大統領が1日、政府支持派の労働者集会で、制憲議会開設と「人民憲法」制定を発表したと2日付ブラジル国内各紙が報じた。
 同国では、最高裁が3月に議会の立法権を剥奪(3日後に撤回)して以来、反体制派と政府支持派のデモが頻発。反体制派の抗議行動は1日で1カ月となり、29人の死者も出ている。
 こんな中、マドゥーロ大統領は「この国が必要としている平和を回復させ、ファシスト達によるクーデターの陰謀を打ち破るための手段が他にないため、人民制憲議会を開設し、新しい憲法を制定する」と発表した。
 同大統領は前日既に制憲議会開設を示唆していたが、メーデーの集会を利用して反体制派を批判した上で、憲法制定を切り出した。
 制憲議会の議員500人の一部は労働者や社会運動家の組織が選出、残りは自治体単位で選ぶというが、労働者や社会運動家の組織は政府支持派で固められており、反体制派の声を反映させる事はほぼ不可能だ。
 また、制憲議会開設により、昨年末行われるはずだった地方選挙はもちろん、来年行われるはずの大統領選挙の前倒しも不能となる可能性が高くなった。
 反体制派は直ちに、この決定は議会をないがしろにし、現政権への国民の不満や批判を封じ込めるもので、現政権によるクーデターに他ならないとの見解を表明し、異議を唱えた。
 マドゥーロ大統領は国民の支持を取り付けるために、4月30日に最低賃金の60%引き上げを発表。5月1日には価格凍結も決めたが、市場に出回っている品は政府の統制価格では扱われておらず、食料品や医薬品などの不足は深刻だ。
 今回発表された制憲議会開設は同国の現行憲法にも反しており、フランシスコ法王による対話への呼びかけも無視したものだ。法王は同国の人道的、社会的、経済的危機が国民を疲弊させていると深く憂慮し、現政権と反体制派の対話を呼びかけている。法王の呼びかけには、ブラジルやアルゼンチン、チリ、パラグアイ、ウルグアイなど、ラ米8カ国が支持を表明したが、デルシー・ロドリゲス外相は1日、「非合憲政権のブラジルやその他7カ国は国政に干渉し、クーデター奨励という重大な過ちを犯した」と糾弾した。
 2日にはエルサルバドルでラ米・カリブ諸国共同体の緊急外相会議が開かれるが、ニカラグアやキューバ、エルサルバドルはマドゥーロ政権支持を表明。米州機構やブラジルなどの「域内反対勢力」を批判している。

最終更新:5/3(水) 5:58
ニッケイ新聞