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駅ノートで交流の輪 滑川・中加積駅 見知らぬ同士が心通わせ

5/3(水) 21:11配信

北日本新聞

 富山地方鉄道の無人駅、中加積駅(滑川市堀江)に、いつからか「駅ノート」が置かれ、利用者が近況や駅の思い出を書き込んでいる。筆跡や内容から、使っているのはお年寄りから若者まで幅広い世代。受験や新生活に対する意気込みや励ましもあり、見ず知らずの利用者同士が心を通わせる道具となっている。(滑川支局長・小幡雄也)

 「駅ノート又持って来ました 勝手に持って来てすみません 思った事を書いていい駅ノートにしましょうね」

 駅舎内に、こんな書き出しで始まる1冊の大学ノートがある。表紙には黒色のペンで「H29年 (8)」。2番目の書き込みは、1月2日という日付と共にアルバイトに向かう前の心境がつづってあり、現在はノートの半分ほどまで書き進められている。

 富山地鉄によると、中加積駅は1913年、立山軽便鉄道の滑川-五百石駅の開通とともに「堀江駅」として誕生。8年後に現駅名となり、十数年前から駅員がいない。時々同駅を使う近くの会社員、碓井慎太郎さん(36)は「3年ほど前にノートに気付いた。誰が置いたのか分からないが心に響く内容もありほのぼのする」と言う。

 2月25日の日付で記されているのは自称「82歳のおばあちゃん」による書き込み。「だれも人がいなくて淋しい。昔は人でいっぱいになった」とあり、大勢の利用客がいた頃を懐かしむ。若者が書いたような内容も目立つ。「明日高校受験です。精いっぱいを出し切ります」とのメッセージの下には、違う筆跡で「頑張ってね 必ず受かります」と温かいエールがあった。

 春から同駅を利用して高校に通う滝川光人さん(15)は「知らない人だから話せる悩みもある。今度使ってみたい」と関心を寄せた。

 富山地鉄の赤川大総務課長は「駅ノートの存在は知らなかったし、他でもあまり聞かない。インターネット社会が広がる中で、一冊のノートでお客さまが交流を深めているというのは感動する話。続いてほしい」と話している。

北日本新聞社

最終更新:5/3(水) 21:11
北日本新聞