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舞台『遙かなる時空の中で6 幻燈ロンド』八葉全滅の危機 誰しもが胸に秘めた守りたいものとは……!?

ファミ通.com 5/4(木) 20:02配信

文・取材:ライター ぎょにちむ

●萬・藤堂の新キャラクターに注目!
 コーエーテクモゲームスから発売中の女性向けアドベンチャーゲーム『遙かなる時空の中で6』を原作としたミュージカル最新作『遙かなる時空の中で6 幻燈ロンド』が、2017年5月4日より、全労済ホール・スペースゼロにて開催。初回公演前にマスコミ・関係者向けのゲネプロ公演が行われた。

 本作は、『遙かなる時空の中で6』のファン待望の続編『遙かなる時空の中で6 幻燈ロンド』の舞台化作品。
 『遙かなる時空の中で6』のその後を描いた作品だ。『幻燈ロンド』の新キャラクターとなる、自働人形(オートマタ)の萬(長倉正明)や、藤堂尚哉(小谷嘉一)の活躍にも期待したい。
 注目すべき点としては、公演日によって変わるマルチシーンの存在が挙げられる。主人公・高塚梓が、ストーリーを通して8人の男子(+萬)の誰との恋愛シーンが展開されるのかも楽しみのひとつ。5月8日~10日には、ファンからの投票で決まった上位キャラクターがこのマルチシーンに登場するというのだから、ファンとしては自分の投票したキャラクターのマルチシーンを見守りたいところだ。

 なお、舞台には、客席中腹に向かって花道が用意されており、大掛かりな舞台設備で演技が披露される。客席前方ではかなり間近にキャラクターを感じることができ、後方にいても彼らの振動を感じることができる。

 劇中はアドリブで、客席に話かけたりと、ファンサービスも充実。
 ちなみに開演前のアナウンスも長倉氏演じる萬が、客席に向かって「マスター」と呼びかけてくれた。これはファンには垂涎モノだ!?
 そんな舞台『遙かなる時空の中で6 幻燈ロンド』をさっそくリポートしていこう。

※本記事では、ストーリー内容に言及している箇所があります。ネタバレ厳禁という方や、これから舞台をご覧になる予定で、内容に関して事前に知りたくないという方は、ご注意ください。

●大正時代、帝都・東京で新たな破滅の足音が聞こえる
 本作は、続編ということもあり、プロローグでは、前作のあらすじをおおまかに紹介してくれる。前作を観ていない人にとってもうれしい配慮と言えるだろう。

 主人公は、現代から時空を超えて、異世界の大正時代に降り立った少女の高塚梓(河内美里)。
 前作では、世界を危機から救う、黒龍の神子として活躍。前作“舞台 遥かなる時空の中で6”で対立していた、ダリウス(友常勇気)率いる鬼の一族と、有馬一(渡辺和貴)ら帝国軍はお互いに手を取り合い、帝都復興に向けて、そしてお互いが共存できる世界を作り出そうと歩み始めていた。

 そんな中、浅草で行われた“復興祭”で怨霊が大量に発生する事件が起きる。
 八葉と梓は、目の前の怨霊を退治することに専念するが、そこへ突如オートマタの萬が現れ、梓を「マスター」と呼び慕う。萬は、2144年の未来から、梓を守るために遣わされたのだという。これは梓がもとにいた世界のさらに未来になる。誰がいったい何のために萬を遣わしたのだろうか?

 大量の怨霊発生、そしてオートマタの出現。これらは果たして偶然なのだろうか。梓たちは、怨霊発生の原因を探るべく奔走する。

 一方、帝都では、藤堂コンツェルンの御曹司・藤堂尚哉が、帝国軍を操れるほどの実権を握っていた。
 別の場面では、「帝都を破滅へ導く」と不穏なセリフを放つシーンも。どうやら藤堂は、この事件に一枚噛んでいそうだ。
 果たして、藤堂尚哉の目的とは……。

 怨霊を大量発生の原因を探る中、街中に呪詛をばら撒いている人物がいることを察した八葉一行。白龍の神子である駒野千代が、穢れをひとつひとつ払うことで、なんとか発生を食い止めることができるように。平和を取り戻しかけていた帝都を荒らすのは、誰なのか、何が目的なのか、物語は真相に一歩ずつ近づいていく。

 八葉との物語も見どころだが、やはり今回はオートマタの萬についてのシーンも多い。
 萬は初めはほとんどの記憶と感情がなく、梓に害をなすものは、すべて殺してしまいそうになるが、梓といっしょに行動していくうちに、命の大切さを学び、オートマタではなく、人間らしい感情が芽生えてくる。さらに、梓暗殺未遂事件が起き、萬と梓の間に深いキズナが生まれていく。
 萬の感情の移り変わりはこの物語にとって大きな役割を果たしてくるようだ。

 梓暗殺未遂事件をきっかけに怨霊をばら撒くだけでなく、梓を直接暗殺しようと仕掛けてきた人物と目的が明らかになっていく。梓と八葉は藤堂が元凶ということを世間に知らしめようとすると、逆に一枚も二枚も上手の相手に追い詰められていき、第一部は終了となる。

●ついに最終決戦。それぞれの守るべきものとは
 第2部では、藤堂と八葉たちの頭脳戦がくり広げられる。
 こちら動きが相手に筒抜けになっていることを察した村雨は、この中にスパイがいることを悟っていた。
 そう、それは、オートマタの萬だ。
 萬は健気に梓の元におり彼女を守り続け、怨霊退治にも一役買っている。怪しい動きは見えないのだが……。

 物語が終盤になるにつれて、藤堂が追い詰められていくのだが、藤堂にも譲れない想いがあることを知る。
 彼には、何を犠牲にしても、守りたいものがあったのだ。

 第2部では、心痛い展開に、こちらもハラハラドキドキの連続。
 目的のためには手段を選ばない藤堂の策略に、八葉たちがつぎつぎとあっけなく倒れてしまうのだ。仲間をひとり、またひとりと失い、絶望にうちひしがれる梓。いかにして梓はこの絶望的状況から抜け出せたのか。物語の結末は、ぜひ劇場にて見届けてほしい。

 劇中ではメインとなる、対藤堂のストーリーだけでなく、八葉のひとりひとりのバックボーンに迫るシーンも多く用意されている。
 鬼の一族のダリウスちょっと人間に怖がられるだけで部屋に閉じこもってしまうネガティブな部分や、虎が火事になる街へまっさきに自分が飛び込んで対処する優しさ。憑闇となってしまったコハクの中傷に負けない心の強さなど。
 八葉すべてのキャラクターにスポットが当たる場面がありシリーズを遊んでいるファンにとってはうれしいところ。

 なお怨霊や、藤堂とのバトルシーンは迫力満点。キャラクターごとに個性のある武器を使い、舞台上を縦横無尽に駆け回るキャストたちの足音は、体の芯から振動を感じ、圧倒させられた。

 また、物語の最後に用意されているマルチシーンでは、胸キュンなセリフに思わずニヤケてしまうこと間違いなしだ。

 カーテンコールでは、梓役の河内美里がキャストを取りまとめ挨拶。
 さらに萬役の長倉正明が、「素晴らしいキャストと素晴らしいスタッフさんに囲まれてようやくゲネプロ公演を迎えることができました。明日から初日なのですが今日の経験を活かして千秋楽までつっぱしっていきたいとおもいます。」と、本公演への意気込みを語った。

 本公演は、5月4日から5月10日までの約1週間行われる。当日券が出ている場合もあるそうなので、ぜひ会場に足を運んで、不思議な時空の旅を楽しんでほしい。

最終更新:5/5(金) 0:06

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