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衰退が危惧されたスペイン映画を救ったものとは?

シネマトゥデイ 5/4(木) 22:52配信

 今年3月末、スペイン・マラガで開催されたイベント Spanish Screenings にて、スペイン映画界を代表する人々が「スペイン映画の未来」という議題でトークを行った。2008年のリーマンショックをきっかけにスペインで起こった経済危機は、スペイン映画界にも大きな影響を及ぼした。2012年、スペイン政府は増税対策として、日本の消費税にあたる付加価値税の、映画や音楽のチケットを購入する際などにかかる文化関連の税率を8%から21%と一気に引き上げた(※)。それにより、文化の衰退が危惧されてから約5年。スペイン映画はどのような道を歩んできたのか。

ナオミ・ワッツ×ユアン・マクレガー『インポッシブル』【映像】

 この日、『インポッシブル』『28週後…』など話題作に携わってきた名プロデューサーのエンリケ・ロペス・ラビニュ、短編『ザット・ワズント・ミー(英題)/ That Wasn’t Me』(2012)がアカデミー賞短編映画賞にノミネートされた監督エステバン・クレスポ、ジョセフ・ファインズ主演『復活』(2016)などに出演の女優マリア・ボット、スペイン国内で数々の作品を手がけてきた女性プロデューサーのマルタ・ベラスコの4人がそれぞれの経験を通して語った。

 「長年にわたって、自国の援助を得られず、抜け道を探さなくてはならなかった。海外に目を向けざる得なくなったことで、スペインには才能に溢れた人々がいるのだということを海外に証明できた。この国でよくあることだけど、海外で認められることによって、国内でも話題になる。今もそういう流れがあると思う」とマリアが明かすように、クライシスを乗り越えつつある現状は、海外からのサポートによるものが大きいという。それに同意したのが、スペイン経済危機の真っ只中、アカデミー賞にノミネートされたことで、次なる映画製作につながったというエステバンだ。「オスカーノミネーションは一度限りの幸運な出来事だった。メディアからの注目を浴び、次の映画をつくる機会も与えてくれたんだ。信じないかもしれないけど、その映画の予算の50%をNetflixが出してくれている。Netflixがなければ、その映画はできなかったと思う」。

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最終更新:5/5(金) 11:16

シネマトゥデイ