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「泥臭く」と「コミュニケーション」。立川と堀江、復帰戦では何を目指すか。

5/4(木) 8:59配信

ラグビーリパブリック(ラグビーマガジン)

 ラグビー日本代表は5月6日、東京・秩父宮ラグビー場で香港代表とのアジアラグビーチャンピオンシップ(ARC)第3戦目に挑む。チームは4月29日、秩父宮で韓国代表を80-10で下して2連勝中。今度は先発を7名、控えは5名を入れ替え、昨秋のツアーで共同主将だった堀江翔太と立川理道が今大会初のメンバー入りを果たした。

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 2人は国際リーグのスーパーラグビーに在籍する日本のサンウルブズに2季連続で参画も、それぞれの事情で戦線離脱していた。6月に国内であるルーマニア代表戦、アイルランド代表戦に向け、段階的な復調を図っている。若手中心で挑むARCの日本代表にあって、キャリア組としての存在感が期待される。

「6月に向けていいコンディションでできるように…と話をして」

 3日に都内であった練習後、堀江は休息を得た経緯をこう明かした。

 3月4日のスーパーラグビー第2節を最後に、代表首脳の意向でサンウルブズを離脱。同月は家族との時間を優先した。

 4月になれば京都で元日本代表トレーナーの佐藤義人氏のもとで個人キャンプを張る。坂道ダッシュや柔らかい砂浜でのアジリティートレーニングなど、高負荷のセッションを重ねてきた。

 小学5年で大阪の吹田ラグビースクールで楕円球に触れ始めた31歳は、2013年から2季連続でレベルズ(オーストラリア)の一員としてスーパーラグビーを経験。日本代表としてはワールドカップに2大会出場してきた。

 そのため今回リザーブ入りした香港代表戦も「(競技開始から)もう20年以上。(ラグビーを)やってきたら、試合勘はすぐに帰ってくる」と悠然と見据える。

 練習中はさながらプレイングコーチの風情で、各選手の立ち位置や動き方をチェック。今後もたらしたいプラスアルファは、明確だった。

「経験とコミュニケーション、というところです。身体能力というよりは。考えるという部分については、いろんな選手と話して教えていきたいですね」

 先発のインサイドCTBに入る立川は、2月18日、サンウルブズが開幕前におこなった壮行試合でひざを痛めていた。3月まで治療に専念し、今度の代表へは4月のキャンプから合流した。コンディションについて聞かれると、「怪我する前よりもいい状態に戻ってきている」と即答した。

「なるべく早く復帰しながら、どのタイミングで試合に戻るかを話した結果、ここになった。思った以上に早く復帰できました」

 24歳の流大主将を筆頭に、年下の選手がリーダーシップを発揮。サンウルブズから加わっている25歳の金正奎も、求められるプレーに関するキーワードを口にするなどしてセッションの質を上げている。だから当日のゲーム主将を務める立川にも、気負いはない。

「今回は僕がゲームキャプテンですけど、流はリザーブにいるし、堀江さんもいる。正奎みたいに、若手でもリーダーシップを取れる選手もいっぱいいる。そういう選手とうまくチームをまとめていけたらと思っています」

 一緒に先発するBK陣には、3人の大学生と1人の大卒1年目が並ぶ。ここで立川が意識するのは、代表選手としての矜持の示し方だ。このゲームでの個人目標を問われると、こんな話をしたのだった。

「僕は特別なプレーがある選手ではないのですが、しっかりと泥臭く。若手中心のチームだからこそ、自分が率先して地味な仕事をやって…。代表としてのプライドみたいなところを、プレーで見せられたらと思います」

 ジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチは、「対戦相手が変わるだけで、自分たちの目指すブランドは変わらない」。キックを使ったスマートな戦術を遂行しにかかる。メンバー構成の意図を説明する言葉には、主力組への期待をにじませた。

「(立川は)リーダーとしての役割を果たすところになじんでもらうため、今回の形になりました。(堀江は)久々の試合。まだ若干、鈍いプレーになると思いますが、もともと優秀です。両サイドのPRにつくのは、将来有望な若手選手(21歳の三浦昌悟と22歳の渡邉隆之がリザーブ入り)。双方にとっていい影響があると思います」

 23名の登録選手中、現段階でのキャップが2ケタ台の選手は堀江と立川を入れて計4名のみ。シニアプレーヤーのいる意味は小さくなさそうだ。

(文:向 風見也)

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