ここから本文です

タワマンで保活超激戦区になった武蔵小杉ー子育て世代急増の軋み

5/4(木) 8:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

タワーマンションの建設ラッシュで人口が急増する武蔵小杉。その周辺地域に住む若い子育て世代は、子どもを保育施設に預けるための過酷な「保活」に見舞われている。

川崎市中原区在住の主婦(32)は夫の海外駐在が終わり、昨年1月に武蔵小杉駅周辺のマンションに引っ越してきた。4歳と2歳とゼロ歳の3児を子育て中だ。

帰国当時は、子どもを保育園に入れて仕事に復帰したいと思った。しかし、いったん退職して働いていないという保活に不利な状況に加え、武蔵小杉という「保活激戦区」の現実を前に復職を断念、仕事への復帰はならなかった。

「区役所の担当者には、私の条件ではまず保育園は難しいとはっきり言われました。積極的に保活をしていない人の中には、武蔵小杉では保育園には入れないと最初から諦めている方も少なからずいると思います」

現在は4歳の子どもを東急東横線武蔵小杉駅から徒歩7分ほどの私立幼稚園に通わせている。

「たまたま幼稚園の定員に空きがあり、すぐ入れました。すごくラッキーでした。今後は仕事に復帰したいので、願わくば3人とも保育園に入れたい。条件はかなり厳しいとは思っていますけれども……」

900人が希望園に入れず

都市部の自治体で深刻化する待機児童問題だが、タワマンの建設ラッシュが続く武蔵小杉ではさらに深刻だ。

川崎市中原区内での認可保育園の対象となる0歳から5歳の人口は1万4825人(昨年10月1日現在)。武蔵小杉駅周辺の再開発事業で高層マンションができ始めた10年前の1万2202人と比べ、2600人余りも増えた。

4歳児と9カ月の子どもを武蔵小杉周辺の認可保育園に通わせている別の主婦(32)も、「上の子がすでに通っていたので、なんとか下の子も同じ認可保育園に入園できた。でも、一次募集と二次募集を通じても、両親ともフルタイム勤務でも入園できない人も多い」と話す。

市も子どもの増加に対応するため、2010年に32カ所(定員2870人)だった認可保育園を今年4月1日現在で、69カ所(同5380人)にほぼ倍増させている。

しかし、まだまだだ。中原区児童家庭課によると、今年度の認可保育園への申請者2500人に対し、入園ができたのは1600人。900人は希望する認可保育園に入れず、認可外保育園への入園や育休延長、仕事の退職などを余儀なくされている。

国内最高層マンションとなる地上59階建ての「パークシティ武蔵小杉ミッドスカイタワー」3階に09年に開園した「ベネッセ武蔵小杉保育園」には申込者が殺到している。子ども数の増加のほか、駅チカの利便性が高い場所にあり、保育内容も人気だからだ。今年度はゼロ歳児が申込者217人のうち内定者は6人、1歳児は194人中5人と超激戦だった。

1/2ページ