ここから本文です

降旗康男監督、「若き日の健さんと重なる」岡田准一の姿 映画「追憶」6日公開

スポーツ報知 5/4(木) 16:00配信

6日公開「追憶」でタッグ

 2014年に死去した名優・高倉健さん(享年83)の主演作を撮り続けてきた降旗康男監督(82)の新作「追憶」が6日に公開される。偉大な先人を継いで主演を務めたのは岡田准一(36)。降旗監督は両者の共通点を「役柄より実人生の方が重く、何かを背負っているなと感じるところ」と見つめる。在りし日の名優の姿を追憶しながら撮影に臨んだ。

【写真】映画「追憶」の富山イベントに登場した(左から)降旗康男監督、安藤サクラ、木村大作カメラマン

44年でコンビ終焉失意の底から「救済」

 荒れ狂う海、水平線に沈む夕日、土砂降りの雨、辺りを覆う純白の雪、山を望む町、心の奥底に悲しみを抱えた4人の男と3人の女…。ファーストカットからエンドロールまで、完璧な「降旗康男の映画」である。心に傷を負った人を描くことは、映画を撮り始めた半世紀前から一貫している。

 「立派ではない人の温かさや美しさを、純粋な形で受け取る側につないでいくのが映画だと思っているからでしょうか。映画は作っても完成しないもので、見る者が何かをくみ取ることで広がっていく。広がりを持つために、一番共感を誘うのはマイナスの人間像なんじゃないかと、いつも思うんです」

 2014年11月、心に傷を負った男を目の前で演じ続けた人を失った。44年間、20本の主演作を撮った高倉健さんを亡くした3か月後の翌15年2月、失意の底にいた監督の元に届いたのが本作の原型になる脚本だった。
 「最初から強く興味を引かれたシナリオでした。人物設定を変えれば、もう一つボルテージの上がる作品になると思ったんです」

 映画人の血がたぎり、自ら作品化に舵(かじ)を切った。
 「茫(ぼう)然自失の自分から抜け出すためには、何かを作るよりしょうがなかった。自分の弱いところを立て直そうと思った。僕自身の救済のためでもあったんです」
 
 共に健さんを追い続けた木村大作カメラマン(77)と10年ぶり16作目のタッグを組み、先人を継ぐ主演俳優に岡田准一を迎えた。

 「健さんと岡田さんでは個性が違いますが、役柄よりも実人生の方が重く、何かを背負っているように見える姿が似ていた。架空の人物に入っていくのではなく、自分の中に役を引きずり込んでいく俳優さんになったら面白いと(岡田の代表作)『永遠の0』を見た時に思ったんです」

1/3ページ

最終更新:5/4(木) 16:00

スポーツ報知