ここから本文です

大気汚染が深刻な中国で「植物高層ビル」建築

5/4(木) 20:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

中国・南京市は国内の他の都市と同様、深刻な大気汚染に悩まされている。

0から500までの数値で表す空気質指数(数値が高いほど汚染されていることを示す)で、南京市の指数は132となっている。健康に影響を及ぼすレベルとされ、呼吸器疾患のある人は特に注意が必要である。

イタリアの建築設計事務所Stefano Boeri Architettiは、都市の大気汚染緩和に向け、緑に包まれた高層ビルをデザインする。同事務所は最近、1100本の木と2500本の低木を屋上やバルコニーに配した2棟の高層ビル「南京グリーンタワーズ」を南京市に建設すると発表した。

南京グリーンタワーズは今年前半に着工し、来年完成する予定だ。外観は同事務所の代表ステファノ・ボエリ(Stefano Boeri)氏がミラノでがデザインした2棟の複合ビルに似ている。さらに、スイスのローザンヌで同氏が設計したビルは、2018年初めにオープンを予定している。

ボエリ氏は中国の南京市や他の都市で「緑のタワー」を増やし、「森林都市」を創出する目標を掲げている。

南京グリーンタワーズにはオフィスや高級ホテル(客室数247室)、美術館や建築学校が入る予定である。これが完成予想図だ。

南京グリーンタワーズは、設計事務所Stefano Boeri Architettiがミラノに建築したものと似たデザインで、2棟の高さはそれぞれ360フィート(約110メートル)と250フィート(約76メートル)。

モデルとなったミラノのBosco Verticale(垂直の森)は2014年に完成した。

屋上やバルコニーは約900本の木(高さ3~9メートル)と、2万本以上の低木や花で覆われている。

平地にすると、各ビルには75000平方フィート(6968平方メートル)以上の木や植物が植えられているとボエリ氏は言う。

事務所によると、南京グリーンタワーズは年間25トンもの二酸化炭素を吸収し、毎日60キロの酸素を放出する。

一般的な車が年間平均4.7トンの二酸化炭素を排出すると仮定すると、ビルは車5台が1年間に排出する二酸化炭素を吸収できる計算になる。

しかし南京全体の汚染レベルからすると、その効果は微々たるものだ。

このプロジェクトはボエリ氏がイメージする中国の森林都市計画の第一歩であり、南京や柳州、石家庄でも建設したいと考えている。

ボエリ氏は約200種類の植物に包まれたタワーや交通システム、緑地が立地する未来型の都市開発を計画している。

個々のタワーよりもタワーの集合体である「森林都市」の方が大気汚染問題に対処できる。

ボエリ氏は、この森林都市が中国の都市部を根本から変える可能性があるとガーディアンに語っている。「この悪夢のような巨大な都市を作った中国政府は、今後新しい都市モデルを計画する必要がある。それは都市を拡張、拡大させるのではなく、緑のある小さな都市システムであるべきだ」

「我々はさまざまな建物のデザインに真剣に取り組んでいる。今年の終わり頃に建設が始まり、2020年には中国で最初の森林都市のイメージを見せられるだろう」と、ボエリ氏はガーディアンに語っている。

Source: The Guardian


[原文:China may build a smog-eating 'forest city' filled with tree-covered skyscrapers]

(翻訳:Kamada Satoko)