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<浜松まつり>ハンディなんの 大だこ空へ 目の手術経て大役

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS 5/5(金) 7:40配信

 今年の浜松まつりで浜松市東区中田町の「中田組」総監督を務める山下章成さん(29)。生まれつき左目の弱視やそしゃく障害というハンディキャップを抱えながら、持ち前の明るさと真面目な性格で周囲からの信頼が厚く、大役を任せられた。「ミスや後悔のないように」との思いで準備に励んできた山下さんと町内の仲間が操る初だこが4日も、同市南区のたこ揚げ会場で空高く舞い上がった。

 中田組が初めて浜松まつりに参加した年に揚げられたのが山下さんの健やかな成長を願う初だこ。山下さんは幼い頃から浜松まつりやたこが好きで、「体力はあまりないけど、力を振り絞って、まつりを楽しんでいた」と山下さんをそっと見守ってきた鈴木統三組長(46)は振り返る。山下さんも「病気がつらいと思ったことはない。まつりも同じ。楽しいことしかない」と語る。

 手術はこれまでに20回以上に及ぶが、手術前にたこを見たり、ラッパの音を聞いたりすると元気づけられてきた。左の眼球の摘出手術を受けた20歳の時に初めて監督を任され、「幼い時からたくさんかわいがってもらった分、町のために尽くしていく」と心に決めた。青年総監督も経験し、今年は鈴木組長の指名で総監督に抜てきされた。

 昨年10月に結婚式を挙げた際には、たこの形のウエルカムボードを手作りして飾った。山下さんは「近いうちに自分の子どもの初だこも揚げたい」と意気込む。

 4日のたこ揚げ会場。タイミングを読み、山下さんが力いっぱい糸を引っ張ると、たこは風に乗ってぐんぐんと大空へ登っていった。山下さんは「初だこが空高く上がって最高の気持ち。揚げている時が一番幸せ」と笑顔で空を見上げた。

静岡新聞社

最終更新:5/5(金) 7:40

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS