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一流の営業マンが「スランプを打開する」3つの基準

ZUU online 5/5(金) 10:20配信

ノルマに対して

残念な営業マンは、プレッシャーを感じながら従う
できる営業マンは、与えられたノルマを受け入れる
一流の営業マンは、自分でさらに高い目標を再設定する

(本記事は、高野孝之氏の著書『プロフェッショナルが実践している営業の哲学』(クロスメディア・パブリッシング)の中から一部を抜粋・編集しています)

■自らの仕事としてこそ一流

目標というと、会社から与えられた数字がすべて、と思っていませんか? いいえ。目標とは「与えられるもの」ではなく、「つくるもの」です。

もし会社から目標を言われているなら、まずはその数字自体を見直すことから、始めてください。数字を会社から与えられたとしても、個人のものとして改めて設定し直してこそ、達成するための心の準備と覚悟、達成する気持ちに火がつきます。

自ら設定した目標こそが、結果に最も影響を与えることになるのです。ここでは、必ず高い目標を設定します。なぜなら、100%を達成するとき、目標自体が100%では、これを達成できない恐れがあるため、数字は少なくとも2割増しにするわけです。

こうして自らつくった目標を、一歩一歩達成していくと、「やらされ仕事」ではなく、「自分から進んでやる仕事」になり、確実に結果が出やすくなります。目標は必ず自ら設定し直してからスタートする。これを肝に銘じてください。

そして目標が決まったら、それを周囲に「宣言」するようにしてください。目標は宣言すると、実践の確率が大幅に上がることが知られています。目標を作成し、それに沿って営業を行う営業マンは多くいますが、数字を「宣言して」実践している人は、意外と少ないのが現実です。宣言すると、次の3つの効果が得られます。

◯目標達成のための決意が生まれる
◯決意が実行につながる
◯上司や先輩、同僚からの理解と協力が得られる

私は現場の営業マン時代、新年度のキックオフミーティングで「第1四半期の目標は何が何でも達成します!」と毎年宣言していました。
人には宣言したことを行動に移そうとする「一貫性の原理」が働きますから、会社の皆に宣言したら、何が何でも達成したくなります。

私は「営業はスタートダッシュがすべてだ」と考えていたので、みんなに宣言することで、最初の半年をがむしゃらに働く動機を高めていたのです。ちなみに自分で決めた目標は、必ず箇条書きで、紙に書きましょう。頭で考えるのと、紙に書くのとでは、天と地ほど違いがあります。

頭で考えているだけでは腹に落ちることがありませんし、行動を促すこともできません。

好印象をつくるために

残念な営業マンは、話の内容を考える
できる営業マンは、話し方を重視する
一流の営業マンは、見た目で勝負する

■見た目と所作を磨くことが一流への近道

私たち営業マンがお客様に好印象を持っていただくには、どうすればいいのでしょうか。以前、『人は見た目が9割』(新潮新書)というベストセラーがありましたが、営業マンは「見た目と話し方で9割決まる」と私は思っています。

みなさんは、「メラビアンの法則」をご存知でしょうか? これは米国の心理学者、アルバート・メラビアンが行った実験結果から導き出された、受け止め方についての心理法則です。

メラビアンの法則によると、人の第一印象は、「見た目」で5割、「話し方」で4割、「話の内容」で1割という具合に決まるということです。

これを営業の世界に当てはめれば、はじめてお会いするお客様にとって、営業マンであるあなたの「見た目と話し方」で、第一印象の9割が決まってしまいます。営業マンの話の内容自体は、お客様の中で、印象の1割しか占めないことになります。

これは、25年以上にわたって営業の世界を見てきた私の実感として正しいと思います。お客様を説得するためには、第一印象で合格するという大前提が存在しているのです。

だから、いくら営業マンの課題分析力と提案力が優れていたとしても、第一印象でお客様に認めてもらわない限り、商品やサービスをお客様に提案する「土俵」に立たせてもらえないということになります。

ですから、私は現役の営業マン時代、見た目を含めた第一印象にかなり気をつかっていました。まず、身だしなみはとても大事です。私は、濃紺や濃いグレーのダークスーツに、清潔感のある白いワイシャツ、落ち着いた色合いのネクタイを締めていました。

ポイントは、スーツはシワがつかないようにハンガーに掛けて管理し、ズボンは毎日必ずズボンプレッサーを使って、中央の折り目をしっかり入れておくこと。また、ワイシャツの袖口と衿は、外から見える部分なので、シワがよらないようにしっかりとアイロンをかけておきます。

私は法人営業だったので、営業先は企業であり、いつ経営者の方にお会いしても失礼にならないように、まじめで清潔感のあるスーツスタイルを基本にしていました。

また、営業の第一印象が決まるのは、名刺交換のときが多いので、私は丁寧に名刺交換を行っていました。

まず相手の方と約1メートルの距離をとって、背筋を伸ばして向かい合います。最初にお辞儀をしてから1歩前に出ます。そして、お客様の目を見て、「◯◯会社の◯です」と、はっきり会社名と自分の名前を言ってから、自分の名刺を両手で差し出して、お客様に受け取ってもらいます。その後、お客様が差し出した名刺を「頂戴します」と言って両手で受け取ります。

手順はこれだけですが、一つひとつの動作を心を込めてしっかり行うことで、一連の動作にメリハリ感と丁寧さが生まれます。その後の商談では、背筋を伸ばして椅子に座り、きちんとお客様の顔を見て、自然な感じで微笑みながら、お客様の話に適度に相づちを打つように心がけます。

そして何よりも大切なことは、自信満々に振る舞うことを心がけることです。自信が信頼を生むからです。平凡な能力しか持っていない人が自信満々に振る舞うことによって、卓越した人よりも大きな成功を収めることがよくあるものです。また、自信は、歩き方、握手の仕方、声の調子など微妙な形で表れるので注意しましょう。

ところで、私はノーベル物理学賞を受賞した江崎玲於奈さんと、仕事で何度かお話しする機会がありました。あるとき、江崎さんは「科学には論理的で客観的な面と、感性的で直感的な面がある。両者はコインの表と裏のような関係で、相互に補い合って科学を発展させている」と言われました。

この考え方は、営業マンにも当てはまります。お客様は、「論理と客観性」と「直感と感性」の両方を大事にする営業マンに心を開き、認めてくれるのです。ですから、論理的に話すことも大事ですが、こうした「見た目」や「話し方」を工夫すると、面白いことにお客様は「話の内容」にまで興味を持ってくれるようになります。論理的な方ほど、ぜひ一度、試すことをおすすめします。

■一流の仕事だからこそ汎用性がある

スランプに陥ったとき

残念な営業マンは、悩んで落ち込む
できる営業マンは、働く時間を増やす
一流の営業マンは、3つの基準で仕事を見直す

営業課長になった1年目。私は「どうしたら、メンバー全員が目標達成できるようになるのか」について思い悩んでいました。

当時のIBMでは、一流の営業マンのノウハウの大半は、彼ら自身の中に「ブラックボックス化」されていました。「一流の営業マンのナレッジをメンバーの皆が共有すれば、メンバー全員が成長できるはずだ......」。そう考えた私は、自分の経験や一流の営業マンから学んだことを、メンバーに包み隠さず開示することに決めたのです。

それ以降、「高野からのアドバイス」と題したメモを毎週、各人宛に書き続けました。その内容は、私が「その週に実施したらよい」と思うこと。メンバー1人あたり項目を書き、月曜朝のミーティングでそれぞれに渡していました。

たとえば当時、ベテランのMさんには、次のようなことを書いていました。

・既存のお客様向けに、新製品の提案書の雛形をつくってください
・契約締結予定のA社には、営業本部長に同行してもらってください
・私の休暇中は〇〇の職務を代行してください

また、新人のY君には、次のようなことを書いていました。

・ 新規に発掘した顧客の営業ストーリーを作成してください
・ 引継ぎしたお客様B社と会食のセッティングを検討してください
・クレームをいただいたお客様C社の問題を整理し、私に報告してください

書き始めて数ヶ月後、売れていない営業マンができていない3つの共通項目があることに私は気づきました。書き続けたからわかった、新しい真理です。

1. お客様が「商品を検討する理由(動機)」を聞き出せていない
2. 商品の購入についていつまでに結論を出すのか、その期限がお客様と合意できていない
3. 契約までの「営業ストーリー(筋書き)」がつくれていない

そこで、この3つができるようにメンバー7名に徹底させました。すると、それ以降、7名全員が目標を継続的に達成できるようになったのです。

高野孝之
スマートライン株式会社代表取締役社長兼CEO

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最終更新:5/5(金) 10:20

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