ここから本文です

iPhone修理の現状と注意点

ITmedia Mobile 5/5(金) 6:03配信

 ちまたでよく見かけるようになった「iPhone修理」の看板やノボリ。日本国内には、約1700ものiPhone修理店があるといわれています。なぜこんなに店舗数が増えたのでしょうか? 今回のテーマは「iPhone修理の現状」についてです。

【iPhone修理の様子】

 携帯電話修理といえば、キャリアショップ。ほとんどの人がそうイメージするはずです。「水に濡らしてしまった」「落として電源が入らなくなった」など、わらにもすがる気持ちでショップに駆け込んだという経験談は身近にある話だと思います。中古で購入したスマートフォンを修理に出すケースも多いでしょう。

 壊れた携帯電話端末は、基本的に全国約8000店あるキャリアショップで修理を依頼できます。端末メーカーか下請けで修理された端末は、ショップ経由で顧客の元に戻ってきます。

 例外なのはApple製品のiPhoneとiPadです。これらの製品は、Appleの縛りがあるため、キャリアショップでの修理受付はできません。

 では、iPhoneはどこで修理してもらえるのでしょうか? それは、3つあります。


1. Appleの正規サービスプロバイダー
2. Appleの非正規修理店
3. Appleの非正規修理店かつ総務省の第三者修理登録事業者

 これら3種類の業者は何が違うのでしょうか。1つずつ説明していきます。

Appleの正規サービスプロバイダー

 Appleの正規サービスプロバイダーとは、Apple Storeやカメラのキタムラ、ビックカメラなどAppleからオフィシャルに指定された店舗になります。政令指定都市を中心に全国に約100店舗あります。正規店のため、修理用部品は純正品になります。

Appleの非正規修理店

 Appleが認めていない非正規の修理店です。全国に約1500店舗あります。非正規のため、修理用部品は、故障したiPhoneの部品や中国からの輸入した部品を使います。

Appleの非正規修理店かつ総務省の第三者修理登録事業者

 第三者修理登録事業者とは、修理業者として総務大臣の登録を受けたメーカーや下請け企業以外の第三者のことです。

登録の要件は、

・電波法第38条の40
・登録修理業者規則第3条

です。

 また、登録修理業者の義務は、

・登録修理業者は、修理方法書に従って、修理及び修理の確認を行うこと

(電波法第38条の43第1項。登録修理業者規則第2条第2項第2号及び第5号並びに第4項並びに別表第2号)

・登録修理業者は、修理及び修理の確認の記録を作成し10年間保存すること

(電波法第38条の43第2項。登録修理業者規則第7条第1項及び第2項)

・登録修理業者は、修理した端末にその旨の表示を付すこと

(電波法第38条の44第1項。登録修理業者規則別表第8号)

※総務省の登録修理業者制度を参照

 2017年4月時点で、登録事業者19社、登録箇所160に上ります。登録事業者の一覧は、総務省のWebサイトから確認できます。中古携帯を扱っているゲオなどがこれに当てはまります。修理用部品は、2と同じように故障したiPhoneの部品や中国からの輸入した部品を使います。

 1~3の店舗数をまとめると、以下の通りになります。


1. Apple正規サービスプロバイダー……約100
2. Appleの非正規修理店……約1500
3. Appleの非正規修理店かつ総務省の第三者修理登録事業者……登録事業者19社、登録箇所160

 ご覧いただけるように、約9割が2と3のAppleの非正規修理店になっています。

 次に、角度を変えて修理価格とメリットデメリットをまとめました。

・1.Apple正規サービスプロバイダー
・修理価格
・Apple Care+に加入している方がしていない方より1万円から3万円安い

メリット

・部品が純正のため安心
・正規の安心感あり

デメリット

・修理内容によっては修理センター対応
・店舗が混んでいるため修理受付までの時間がかかる
・全国にある店舗数が少ないので、近くにない場合がある
・修理前に端末内のデータバックアップが必要
・水没修理は行わない

・2.Appleの非正規修理店
・修理価格
・iPhone 7より古い機種は正規サービスプロバイダーより安い

メリット

・その場で即日修理
・国内に1500店舗あるので、近くにお店がある可能性が高い
・水没修理ができる

デメリット

・部品が非純正のため若干不安
・1回修理すると、Appleの1年限定保証の無償修理や、AppleCare+の保証は受けられない

・3.Appleの非正規修理店かつ総務省の第三者修理登録事業者
・修理価格
・iPhone7より古い機種は正規サービスプロバイダーより安い

メリット

・その場で即日修理
・水没修理ができる

デメリット

・部品が非純正のため若干不安
・1回修理すると、Appleの1年限定保証の無償修理や、AppleCare+の保証は受けられない

※初出時に、「1回修理するとAppleの修理サポートは受けられない」としていましたが、非正規修理店で修理を受けた後も、正規店で有償の修理は可能になったため、「1回修理すると、Appleの1年限定保証の無償修理や、AppleCare+の保証は受けられない」に訂正しました(5/5 10:37)。

 次に、非正規の2と3を比較しましょう。盗聴や不法無線を防ぐ観点から、修理をする際に携帯電話の電波関連部分には触れると電波法に抵触します。

 第三者修理登録事業者の場合、3の説明に記載してあるように、修理方法書を作成し、総務省に提出しなければいけません。もちろん実際の修理は修理方法書に従って行います。そのため、電波関連部分に触れないという保証ができるわけです。消費者にとっては安心できます。

 ただ、2の非第三者修理登録事業者の場合、修理内容がWebサイト等でうたわれていても、電波関連部分に触れてないという100%の証明ができません。もちろん2の業者も法律に触れることはしないと思います。消費者としては、法律に触れていないかどうかはお店を信じるしかなく、万が一のことを考えて自己責任で修理を依頼する必要があります。

 最後に、iPhone修理店の選ぶおすすめの基準をお伝えします。

その1:口コミ

 スタッフの接客や修理の品質、値段などの口コミ情報を確認して、自分の大切なiPhoneを任せられるお店を探しましょう。

その2:アフターフォロー

 修理後にどのような保証があるのか? 保証がないところは危ないので避けるべきです。保証期間は3カ月が多いですが、保証期間は長ければ長い方が安心できます。

その3:最安店は避ける

 安いのには訳があるといわれる通り、iPhoneの修理も安いのには必ず訳があります。あまりにも安いところは、部品の品質が悪い、修理に慣れていないスタッフが行うなどが考えられますので、安すぎず高すぎずのお店がいいと思います。

●著者プロフィール

粟津浜一

株式会社携帯市場 代表取締役

 1979年岐阜県生まれ。2004年筑波大学大学院理工学研究科修士課程修了。その後ブラザー工業にて、さまざまな研究開発業務に従事。2009年株式会社アワーズ設立、社長に就任。2017年株式会社携帯市場に社名変更。中古携帯を日本中に文化として広めることをビジョンとして、中古携帯市場動向セミナー、事業説明セミナーを行い、これまでに1000以上の店舗に中古携帯事業を展開、コンサルティングを行っている。

最終更新:5/5(金) 10:42

ITmedia Mobile