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危機時に円供給、政府がASEANへ新提案 「ドル依存」脱却図る

ロイター 5/5(金) 10:51配信

[横浜市 5日 ロイター] - 財務省は5日、東南アジア諸国連合(ASEAN)に対し、金融危機時に円と相手通貨国を交換できる仕組みを新たに提案した。現行の制度ではドルの供給に限られているが、アジア通貨危機の教訓を踏まえ、ドル依存からの脱却を進めるとともに、通貨供給体制の柔軟化を図る狙いがある。

麻生太郎財務相が同日、横浜市で開かれた日・ASEAN財務相・中央銀行総裁会議で示した。会合後に記者会見した麻生財務相は「円は安定した通貨で、大きな力が発揮できる部分が大きい」と語った。

日本の提案は、2国間の通貨交換協定を結んでいる相手国から要望があれば、円での引き出しも可能とするものだ。実際に円を供給する場合は、財務省が政府短期証券(FB)を発行して円を調達し、相手国に融通する。

ASEAN諸国への日本企業の進出が加速し、現地での円のニーズが高まったことに加え、1997年のアジア通貨危機の際に、ドル依存が事態を深刻化させたとの問題意識もある。

財務省幹部によると「参加国からは概ね歓迎の意向が示された」という。

現在、日本は危機時にドルを供給する2国間協定をインドネシア、フィリピン、シンガポールとそれぞれ締結している。今回、新たにタイと上限額30億ドルとする協定を結んだほか、マレーシアとも今後の締結に向けた基本合意に至った。

これとは別に、地域の金融安定に向けた危機対応策として、最大4兆円規模の資金枠創設も決めた。この枠組みの中でも、引き出し通貨は円とドルから選べる仕組みとなっている。

*内容を追加します。

(梅川崇)

最終更新:5/5(金) 13:40

ロイター