ここから本文です

【二宮寿朗の週刊文蹴】久保建英の「天才」に賭ける

スポーツ報知 5/5(金) 12:02配信

 U―20W杯に臨む日本代表メンバーに15歳の久保建英が「順当に」選出された。

 3月のドイツ遠征で2得点2アシストと結果を残しており、2世代飛び級だろうが驚きはない。必要不可欠な戦力だからこそ、21人の中に名を連ねたわけである。

 98年のW杯フランス大会で、岡田武史監督が18歳の小野伸二を抜擢(ばってき)したことをふと思い出した。次世代の中心になるであろう有望株に大舞台を経験させておきたい、などという考えは指揮官の頭になかったそうだ。

 「経験も実績もない41歳の監督に、そんな余裕なんてないよ。頼れるものは自分の理屈だけ。実際、ありとあらゆる状況を想定した。もし、ヒデ(中田英寿)がけがをしてしまったらこのチームは攻撃ができなくなる。その場合、伸二の天才に賭けるしかないと思った。(日本の)将来がどうとかじゃなくて、一発賭けるなら伸二しかないという自分の結論だった」

 天才に賭ける―。指揮を執る内山篤監督も、あのときの岡田氏と同じ思いではないだろうか。

 チャンスメイクというよりもゴールメイク。ときに息をのむラストパス、ときに滑らかにすり抜けていくドリブル。あれよあれよとゴールまでの道筋をつけていく様は、天性というほかない。

 4月15日に行われたC大阪U―23戦のJリーグ最年少弾は、まさに久保の真骨頂だった。ゴール左で相手に囲まれながらドリブルで抜いていき、角度のないところから左足のブレ球でGKの上に打ち込んでいる。

 パスをにおわせながら突破して、ニアに立つGKが警戒していないコースにシュートを狙った。自然かつ平然。心憎いほど駆け引きにたけていた。

 15歳の体力面を考えれば、スーパーサブ起用が基本線になるだろうか。

 世界が注目する逸材。警戒されればされるほど「駆け引き上手」は光るはずである。(スポーツライター)

最終更新:5/5(金) 12:02

スポーツ報知