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「勝ちたかった…」 世界の強豪と熱闘するも桐蔭学園、東福岡とも準決勝敗退

ラグビーリパブリック(ラグビーマガジン) 5/5(金) 6:27配信

 いま国内の高校ラグビー界で2強と言える桐蔭学園高校(神奈川)と東福岡高校(福岡)だが、惜しくも、海外の強豪校も集う「サニックス ワールドラグビーユース」の栄冠には届かなかった。5月4日、福岡・グローバルアリーナで準決勝などがおこなわれ、ファイナル進出を決めたのはどちらも海外勢。今春の選抜大会日本一である桐蔭学園は2016年のフランス王者・リセ ボルデバッスに11-12で惜敗し、U18日本代表の8人がいる東福岡は高校ニュージーランド代表を8人擁するマウントアルバート グラマースクールに12-27で屈した。

日本勢初Vへ高まる期待 桐蔭学園と東福岡が準決勝へ! 仏とNZで4強だ!

「いいゲームじゃなくて、勝つゲームをしたかった」と桐蔭学園の藤原秀之監督は言った。毎年この大会をターゲットにし、世界を見据える東福岡の藤田雄一郎監督も同じようなことを口にした。「惜しいじゃダメなんですよね。2トライを取ったとかじゃなくて、勝たないと意味がない。じゃないと何も変わらないから。内容がいくら悪くても何しても、1点差でも勝たないと」。おそらく、身体を激しくぶつけ続けた選手たちも同じ気持ちだろう。

 準決勝は2試合とも熱闘だった。
 桐蔭学園はPGで先制したものの、前半18分に自陣22メートル内のラインアウトで反則をして相手にボールを渡してしまい、連続でタテを突かれて5点を返された。身長190センチ台4人、180センチ台4人が先発した大きなフランス相手に桐蔭学園は低く鋭く突き刺さってプレッシャーをかけるも、フランスは26分、12番が壁に穴をあけてサポートしたランナーがゴールに持ち込み、2トライ目を獲得した。
 6-12で折り返した桐蔭学園は、後半早々にゴールラインを背負ってのブレイクダウンでも奮闘し、魂のこもったタックルで相手に落球させるなど、後半は相手に得点を許さなかった。攻めては、FWは果敢に前へチャレンジしてゲインし、BKではFB伊藤大祐の鮮やかなカウンターランも光った。
 そして、後半20分だった。桐蔭学園のCTB中村大地がラインブレイクからキックを使い、相手に当たって跳ね返ったボールを自ら確保してゴール中央に持ち込み、1点差とする。ゴールポスト正面のコンバージョンキックだったため、入れて逆転と思われた。が、キッカーを務めた中村は相手のチャージに焦ったか、失敗。結果的にこれで明暗が分かれた。

 よくやったという思いと、勝てたゲームを落としたという思いはどっちもあると藤原監督。
「自陣でプレーすることが多かったので、そういう意味では向こうの方がゲーム巧者だった。背も高いし、ラインアウトはきっちり取られちゃう。スクラムなんかも高く組んでうまかった。途中からレフリーに体重をかけすぎだと注意されてましたけど、フランスは駆け引きがうまいと感じましたね。…もったいない試合をしました。でも、勉強になりました。このチーム(桐蔭学園)はまだまだ伸びるでしょう」

 東福岡は昨年のニュージーランド国内王者のマウントアルバート グラマースクールを倒すことはできなかった。
「この大会をターゲットにしてきたんで、率直に悔しい。ディフェンスもできたし、アタックもトライチャンスを作るとこまではできた。しかし、取り切らないと」(東福岡・藤田監督)

 前半20分までガマン比べが続きスコアボードは動かなかった。
 しかし、PGでようやく先制したニュージーランドは、23分にはラインアウトからモールで押し込みトライを挙げた。
 東福岡は前半何度か敵陣深くに入ったが、ゴールラインを越えてもグラウンディングできず、風下の30分を0-8で終えた。
 風上となって流れを変えたかった東福岡だが、後半早々、ニュージーランドの10番が軽快なステップでギャップを抜き、サポートした身長188センチ、体重118キロのプロップがパワフルに突進してゴール前まで運ぶと、オフロードで仲間につないでトライを演出。ニュージーランドは8分と16分にもフィジカルプレッシャーをかけてボールを奪い返してからトライにつなげるなど、抜群の集中力で東福岡を突き放した。
 東福岡は後半20分、スクラムからキャプテンのNO8福井翔大が持ち出してゴールに迫り、連続攻撃からPR小林賢太がトライ。29分にはSH平尾剛士もファイブポインターとなり意地を見せたが、2年連続の決勝進出とはならなかった。

 ニュージーランドチームとの差は何かと訊かれ、「フィジカルと集中力ですね。ボールに対しての獲得しようという、すごい、狙っているところも。あと毎年思うんですけど、1人が2歩も3歩も4歩も、とにかくガムシャラに前へ出て、相手を寄せていくという、その連続ができているのがニュージーランドであって、できていないのが東福岡。そこだと思いますね」と語った藤田監督。ウエイトトレーニングで補えないフィジカルがあるのだろう。先天性のものか、栄養面か…、この一年間それは何なのかと考えてきたが、改めて世界の凄さを痛感した。

「ワールドユースの良さって、日本の(高校)単独チームが海外のビッグネームと戦えて、頂点を目指せることだと思うんです。本当に大きなロマンだと思う。(日本の)どっかのチームが破らないと。桐蔭でもいいし、ウチでもいいし。どっかが破らないとこの大会の内容も上がらない。世界でプレーできる選手を1人でも多く輩出していくのがこの大会を経験したチームの責任だと思ってますので、世界で戦える選手というのを今後も考えながら育てていきたいと思っています」

 最終日、桐蔭学園と東福岡は3位決定戦でぶつかったあと、フランス×ニュージーランドのファイナルを目に焼き付ける。

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最終更新:5/5(金) 6:27

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