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犬や猫のぬいぐるみを預かり、持ち主代わりに旅行して写真撮影!

sippo 5/5(金) 11:40配信

 心の病で外に出られない。体に不自由があり遠出は難しい。様々な事情を抱えた人たちのぬいぐるみを預かって国内外の旅行に連れて行き、旅の様子を写真に収めて持ち主に渡す。そんな横浜市中区のNPO法人の活動に、少しずつ共感が集まっている。

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 横浜市都筑区の小塚晴美さん(48)は、もともと大のぬいぐるみ好きだった。2002年に、飼い犬を模した手製のぬいぐるみを旅行に連れて行ってくれる人を、自身のウェブサイトで募集し始めた。

 きっかけは犬連れでカフェに出かけたり、旅行を楽しんだりする人が周囲で増えていたことだった。飼い犬のチョコとビルは不仲で一緒には出かけられず、教育関係の仕事は多忙で、遠出をする余裕もなかった。

 そこで、ぬいぐるみを連れて行ってもらうことを思いついた。募集すると、すぐ申し込みがあったという。

 初めて預けた女性は、富士山に連れて行ってくれた。「自由に書いて下さい」と渡したノートに、行った先の絵を描いたり、美術館のチケットを貼ったりしてくれた人もいた。

■ツアー成立50回

 活動を続けるうちに、「お年寄りや体の不自由な人にも、ぬいぐるみを預けて楽しんでもらいたい」と思うように。13年にはNPO法人「日本ぬいぐるみ協会」を立ち上げた。連れて行ってくれる会員を募り、連れて行ってほしい人とのマッチングを続け、実現したツアーは50回を超える。

 3年ほど前に会員になった横浜市南区の主婦、細田みかほさん(57)は、これまでに5体ほどのぬいぐるみを預かった。旅行先は江の島や山中湖など関東周辺が中心。「どうやったらぬいぐるみが楽しそうな写真を撮れるか、夢中になって考えていると嫌なことも全部忘れられる」と話す。

 埼玉県入間市に住む馬渕真由美さん(51)は足が不自由で、長い時間は歩けない。手作りのぬいぐるみは、協会を通して台湾やニュージーランドを旅してきた。「写真を見ると、実際に自分が行ったり、旅先で人に出会ったりした気になるのがだいご味」と話す。

「困難を抱えている人に元気を出してほしい」という思いから、協会では「心臓が悪い」「足が不自由」という設定のぬいぐるみが旅をするプロジェクトも進めている。心臓にハートマークをつけたテディベアを小塚さんが、足に違う柄の布を使って不自由であることを表現したネコのぬいぐるみを馬渕さんが、それぞれ作った。第一弾として今月、地中海のマルタ島を訪れている。

sippo(朝日新聞社)

最終更新:5/5(金) 11:40

sippo