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「てるみくらぶ」倒産で浮かび上がった問題点と被害の実態、 求められる財務内容の公開制度 ―東京商工リサーチ

5/5(金) 20:01配信

トラベルボイス

2017年3月27日、東京地裁から破産開始決定を受けた「てるみくらぶ」。その旅行債権者(被害者)の詳細を東京商工リサーチが発表した。てるみくらぶ騒動を丹念に取材した同社の情報本部取材班が執筆したものであり、その詳細と提言が含まれている。

【てるみくらぶ被害額トップ10】

※編集部注:当記事は、東京商工リサーチ発行の情報誌「TSR情報」で紹介されたもので、同社の許諾を得て、トラベルボイス編集部が編集した。

東京商工リサーチは、入手した「てるみくらぶ」の破産手続開始申立書(以下、破産申立書)の債権者(一般債権・顧客)を独自に集計した。その集計結果をみると、てるみくらぶの被害が、報道されている以上に深刻な被害者を作り出していた実情が浮き彫りになった。今回の倒産を契機に、旅行業界の制度やチェックポイント、問題点などを探ってみたい。

てるみくらぶの破産申立書に掲載された個人の債権額(被害額)は、金額別の人数は10万円以上20万円未満が8682件(構成比24.0%)で最多だった。その内訳をみると、低価格ツアーばかり注目されていたが、100万円以上の高額な旅行代金を前払いした被害者も750件(同2.0%)あったことが判明した。※破産申立書は、1契約で複数人が申し込んでも、1件として扱っている。

30万円以上の高額被害者も3割を占める

てるみくらぶの被害者は3万6046件で、被害額は99億2352万円、1件あたりの平均額は27万5301円だった。3万6046件のうち被害額別にみると、10万円未満は7418件(構成比20.5%)、30万円以上は1万1303件(構成比31.3%)。てるみくらぶは安価な価格帯で成長したイメージが先行しているが、高額被害者も多いことが確認された。

被害額の最高は439万円

被害額の最高は439万3620円だった。次いで、395万1660円、364万3600円と続く。被害額100万円以上は750件で、豪華客船の地中海クルーズツアーなど、高額商品の申し込みも人気を博していたと見られる。

被害者の中には老後の家族旅行や友人との思い出に旅行を楽しみにして、預貯金を取りくずした人も少なくないだろう。こうした多くの被害者がなぜ、てるみくらぶの求めるまま料金を早期に振り込んだのか。

そこには、旅行客が旅行業者を事前に調べる術(すべ)を知らず、また、てるみくらぶが若者を中心に知名度が高かったことも無関係ではない。「大きいから安心」、「有名だから安心」。こうした根拠のない“安心感”が被害を増幅させたのかも知れない。

しかし、てるみくらぶは9万人の旅行者を巻き込み経営破たんした。今回の出来事は、これからは消費者保護の制度拡充はもちろん、消費者も自らの手で旅行業者を調べること必要性を教えている。同時に、「自己責任」のひと言で片付けず、監督官庁のバックアップも避けて通れない。

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最終更新:5/8(月) 13:21
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