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不登校解消に一役「子ども食堂」 新たな試みで子どもたちに自信

福井新聞ONLINE 5/5(金) 17:46配信

 子どもらに無料で食事を提供する福井県内の「子ども食堂」で、「宿題をしよう会」など、新たな取り組みが始まり、子どもの居場所として定着している。紙芝居に出合った不登校の児童が、学校で紙芝居を披露するため、通い始めたケースもある。関係者は「子どもの存在を認めてあげることが、子どもの自信につながっている」と話している。

 ■自信つけさせたい

 「何年生で習った漢字?」。名前の漢字当てゲームで、女子児童が男子高校生に質問する。女の子は黒板にいろんな漢字を書いては消し、書いては消し。夕食前のひととき「宿題をしよう会」だ。

 2015年から敦賀市の男女共同参画センターで食堂を開いている「こども食堂 青空」が、今年1月から始めた取り組みで、元塾講師や地元の大学生がボランティアで指導。高校生が小学生に教えることもある。

 塾ではないため、宿題をせずにゲームをする子、“恋ばな”に花を咲かせる子もいる。学習ボランティアの三國雅洋さん(36)は、子どもとボードゲームで遊ぶこともある。「宿題をしない子どもたちをどう巻き込んでいくかを考えている。学力アップというより、宿題をやることで『自分もできる』という自信をつけてあげたい」と話す。

 子どもたちは2時間ほど机に向かった後、大人たちと一緒に食事をする。

 ■「命」

 開設1年を迎えた越前市の「みんなの食堂」では、紙芝居の市民グループ「越前らくひょうしぎの会」が、毎回紙芝居を披露している。

 学校を休みがちだった男子児童が興味を持ち、子どもや大人を前に自ら紙芝居をするようになった。こうした状況を学校側に伝えたところ、男児が低学年に紙芝居を披露する場を設けてくれた。

 これを機に学校に通うようになった男児は「紙芝居は命。小さい子に紙芝居を読みたいから、保育士になりたい」と目を輝かせる。

 食堂を運営する野尻富美さん(48)は「食堂に通い、自分を認めてくれる大人に出会ったことで、安心感が生まれ、自信につながっていると思う」。学校と連携が図れたことも、不登校解消のポイントだったと指摘する。

 食堂は不登校の中学生と部活を終えてやって来る中学生が交わる場でもある。「そろそろ学校来いや」という同級生の言葉をきっかけに、通い始めたケースもある。

 ■新たな食堂も

 「青空」は、今年3月から子ども食堂を知らせるチラシを、開催日ごとに敦賀西小の児童約260人に配布している。中村幸恵代表(51)は「学校の協力で、多くの子どもに知ってもらうことができた。チラシを見て初めて来た子どももいる」と話す。

 活動を始めて約2年。毎回20人ほどの子どもが来るようになった。1年以上通っているある生徒は「大人の様子を見て勉強になることもある。いろんな世代の意見が聞けるのは自分にとってプラス」と笑顔を見せる。

 昨年1月から調理ボランティアで参加している鈴木正代さん(65)=敦賀市=は、今年夏ごろに、新たな子ども食堂を立ち上げる予定だ。鈴木さんは「子どもも大人も気軽に立ち寄れる、地域のつながりの場にしたい」。食堂を拠点に取り組みが広がっている。

最終更新:5/5(金) 17:46

福井新聞ONLINE