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オランダはデジタルの力で健康寿命を延ばす

5/5(金) 20:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

医療制度の充実などを背景に長寿国としての地位を築いてきた日本。しかし、近年では高齢化の勢いがすさまじく、社会保障費が高騰、将来的には、長寿を支える現在の社会制度基盤を維持できないおそれがある。安倍政権も健康寿命を延伸するためデジタルを活用することを目標に掲げているが、データ利用に関する法律や制度の未整備などが足かせとなり、進んでいない。

先進国において健康寿命の延伸は共通の課題だが、オランダはデジタルの力で国民の健康を維持し、健康的に老いていける国家プロジェクトを急ピッチで進めている。日本がデジタルヘルスケアの分野でグローバルリーダーの地位を確立するために、同国から学ぶべきことは何か。オランダの健康制度を実地調査した国際社会経済研究所の遊間和子氏に話を聞いた。

健康寿命は「固有能力+機能的能力」で決まる

- 人の寿命はどのように延びてきたのでしょうか。今後、延びていくとしたら、どのような推移をたどっていくと予想していますか。

日本は世界でもトップレベルで平均寿命が長い国です。

厚生労働省によると、男性が80.79歳、女性が87.05歳。100歳以上の人は現在すでに6万人以上おり、国立社会保障・人口問題研究所の推計では、2050年までには50万人を超えると言われています。人の寿命はこれからも延び続ける可能性もあるでしょう。

平均寿命が伸びていく中で、近年は、長く生きるだけでなく、日常生活に支障をきたさない期間をできるだけ延ばしていこうという「健康寿命」の考え方が主流になってきています。

WHO(世界保健機構)では、「歩く」「見る」「話す」など、人間がもともと持つ「固有能力」は加齢に伴い低下していくとしていますが、一方で、メガネや車いすといった「支援機器」、また、エレベーターなどの「環境」によって、人の基本的な“機能”が補完されることで、人の「機能的能力」は上げることが可能である、としています。

最新のテクノロジーを活用することで、「固有能力」の低下をできるだけ抑え、「機能的能力」を引き上げられることができれば、その結果、健康寿命延伸に貢献できるのではないでしょうか。

健康寿命の延伸に注目が集まる背景には、高齢化による社会保障費の高騰をいかに抑えるか、といった要因に加え、不足する労働力の確保という事情もあります。「持続可能な社会の構築」が日本をはじめ、高齢化の進む先進国にとっては喫緊の課題なのです。

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