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ライトノベル業界を席巻する異世界転生ブーム 書店員がトレンドの変遷を解説

AbemaTIMES 5/5(金) 11:00配信

 アニメファンやゲームファン向けの小説・ライトノベルにおいて、“異世界転生“というジャンルが流行している。2016年には異世界転生モノの大人気ライトノベル『この素晴らしい世界に祝福を!』や『Re:ゼロから始める異世界生活』などがアニメ化され、普段、ライトノベルを読まないアニメファンからも絶大な支持を集めた。

 以前のライトノベルといえば、学園を舞台に、冴えない男子がなんらかの理由で美少女たちに囲まれた生活を送ることになる“学園もの(部活もの)“が人気に。さまざまな作品がアニメ化されたことで、ライトノベル=“学園もの“というイメージが定着していた。しかし、ここ数年で出版されたタイトルにおけるジャンル比率は圧倒的に異世界転生モノが占めているという。

 書店でライトノベル担当スタッフとして働きながら、自身もライトノベル作家を目指して投稿を続ける店員さんに、ライトノベルにおける人気ジャンルの変遷について聞いてみた。

ライトノベル、人気ジャンルの変遷

 「私は『ロードス島戦記』というファンタジー小説を友達に勧められて、ライトノベルを読み始めました。ちょうど角川スニーカー文庫というライトノベルのレーベルが出来たころで、角川文庫から出ていた『ロードス島戦記』も中高生向けのスニーカー文庫へとレーベルが移されました。

 同じ頃に角川系の富士見ファンタジア文庫というレーベルも創刊され、普通の小説とは違うアニメちっくな表紙の小説レーベルが次々と誕生したことで、そういった小説がいつの間にかライトノベルと呼ばれるようになっていた気がします。90年代前半のライトノベルは、『ロードス島戦記』のようなファンタジー作品から、SF、学園ものと様々なジャンルが混在していましたが、90年に刊行がスタートした『スレイヤーズ』がヒットしたことでライトノベルに新しい風が吹いたように思います」

 『スレイヤーズ』はアニメ化もされ大ヒットし、劇場版や続編が何作も作られた人気作だが、はたして『スレイヤーズ』はライトノベルにどんな風を巻き起こしたというのだろうか。

 「それまでもさまざまな表現方法にチャレンジされている作家さんがいましたが、『スレイヤーズ』の神坂一さんは、キャラクターにボケやツッコミをやらせるなど、作品にギャグマンガのようなテイストを取り入れたり、マンガで使う擬音(ドカーンなど)を積極的に使ったりと、新たな表現方法をいくつも試され、ライトノベルを視覚的な小説へと変えていった第一人者だと思います。

 さらに、アニメの脚本家として活躍されていた、あかほりさとるさんが、キャラクターの掛け合いによるセリフの面白さを重視し、描写を抑えたアニメ脚本のような文体で、それまで小説を読んだことがなかったアニメファンから『読みやすくて面白い』と支持されるようになり、あかほりさんはアニメと連動したシリーズを次々と立ち上げて、90年代中盤に一大ブームを巻き起こしました」

 神坂氏やあかほり氏によって、ライトノベルならではの表現が生み出された後、どういった経緯から、冴えない男子が女の子に囲まれて生活する学園ものが主流になっていったのか。

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最終更新:5/5(金) 11:00

AbemaTIMES