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スーパーGT第2戦富士:作戦とチーム、ドライバーの力。僅差のなかでGT300の勝敗を分けたモノ

オートスポーツweb 5/5(金) 13:06配信

 ズバリ作戦的中。スーパーGT第2戦富士のGT300クラスの決勝レースは、開発に長年苦労していたレクサスRC F GT3/MY17のポテンシャルとブリヂストンタイヤのパフォーマンスが存分に発揮されたレースになった。

【写真】GT300クラスを制した坪井翔(左)と中山雄一(右)

 今回、中山雄一と坪井翔という若いふたりが駆るJMS P.MU LMcorsa RC F GT3は、4番手から中山がスタートを切り、4周目には3番手に浮上。序盤からハイペースを維持していく。チームからの中山への指示は、第1スティントは「引っ張れるだけ引っ張る」というもの。ライバルたちが29周あたりから31周目あたりでピットインをこなすなか、第1スティントを41周目まで引っ張った。

「メルセデスの2台が早めに入りましたが、僕はタイヤが全然大丈夫だった。メルセデス勢のペースを見たらそこまでいい訳ではなかったので、こちらがいけるだけいって、マージンを稼ごうという作戦でした」と中山は言う。

 この作戦により、JMS P.MU LMcorsa RC F GT3は41周終了時点まで1回目のピットインを引っ張る。第2スティントはGT300ルーキーの坪井だったが、もともと坪井もTDPのなかで将来を嘱望されているドライバー。「タイヤをセーブすることに気を遣いながら、第1スティントのタイムも見つつ走っていました。プッシュするべきところではできたし、タイムを落とさず走れたので良かったと思います」と坪井。

 坪井の好走もあり、79周を終えてピットに入ると、JMS P.MU LMcorsa RC F GT3はリードを守ったままピットアウトすることに成功する。「僕は最後、作ってもらったマージンを守るだけだった」と中山は言うが、2位となったGAINER TANAX AMG GT3がすぐ背後につけていた。

 ただそこで中山は、GT500の集団とGT300が重なったときを逃さず、GAINER AMGとの間隔を築くことに成功した。「GT300にデビューしたばかりの頃だったら、そこまでうまくできなかったと思う」と、aprで実績を積んだ中山の本領発揮というところだろう。

■勝つためにはミスやトラブルを減らすことが重要

 僅差のスーパーGTでは、圧倒的なポテンシャルの差で勝利をつかむことは難しい。ミスやトラブルを極力しないことこそが重要だ。その意味では、中山も坪井も「勝てるとは思っていなかった」と言うが、今回のJMS P.MU LMcorsa RC F GT3は、それらの“マイナス要素”が極めて少なかったことが勝因と言えるだろう。

「ミスをしないことが重要ですが、ミスをしないクルマであることも、ひとつのポテンシャルだと思います。このクルマからのインフォメーションどおりに走れば、そのとおりに走れる。チームの力もあると思います」と中山は言う。今回はSYNTIUM LMcorsa RC F GT3も決勝では好走をみせており、今後レクサスRC F GT3のポテンシャルは侮れないものになるのは間違いない。

 一方、勝てるポテンシャルはありながらも、“ミスやトラブル”があったのがライバルだった。ポールからレースをリードしたグッドスマイル 初音ミク AMGは、タイヤのパンクチャーに泣くことに。GOODSMILE RACING & TeamUKYOの河野高男エンジニアは「原因はまだ不明」だという。

 では、もし仮にグッドスマイル 初音ミク AMGのタイヤトラブルがなければ、JMS P.MU LMcorsa RC F GT3と優勝を争う存在だったのだろうか。「レースにタラレバは禁物ですが」と聞いてみると、「良い勝負だったと思う」と語った。

「GAINER TANAX AMG GT3とのタイム差を見ても、谷口(信輝)のときのパンクチャーがなければ、普通に51号車の前にいけたと思う。パンクチャーの前は51号車に21秒くらいマージンはあっただけに……」という。

「今回51号車はRC Fとブリヂストンというパッケージが良かったと思うけど、他でもそうかというとそれは分からない。でも、今年のメルセデスは強いよ。65号車もまた来ると思う。それにまた11号車とも争うときが来ると思う」

 また、惜しい存在だったのは3位に入ったD’station Porscheだ。予選ではスヴェン・ミューラーが四輪脱輪のペナルティをとられてしまい、3番手から14番手へ。決勝でも、序盤8番手まで追い上げながら、藤井誠暢がARTA BMW M6 GT3のバトルの際に、接触を避けようとステアリングを切らざるを得ず、スピン。23番手までポジションを落とし、そこからハイペースで追い上げ3位という結果なのだ。

 こちらも“タラレバは禁物”ながら、予選のペナルティや決勝のスピンがなければ、勝てていた可能性は高い。事実藤井も、「勝てていましたね」という。今季、セットアップが進んだポルシェ911 GT3 R勢はGULF NAC PORSCHE 911を含め非常にポテンシャルが高く、「今年はメルセデス、ポルシェ、レクサスの年ではないか……?」という声もチラホラ聞かれ始めた。

 今後、SUGOや鈴鹿ではふたたびJAF-GT勢が速さを取り戻すのは間違いないだろうが、前述の3車種がコースを問わず速いのはかなり可能性が高そう。しかし、そのなかで勝利を掴むためには、やはり“ミスやトラブル”を極力減らすチーム力、ドライバー力が問われることになりそうだ。



[オートスポーツweb ]

最終更新:5/18(木) 10:47

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