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北原白秋ゆかりの民謡共演 焼津・湖西の保存団体

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS 5/6(土) 8:37配信

 詩人北原白秋が昭和初期に作詞に携わった民謡を後世に残そうと活動する団体同士の縁で、焼津市の「正調焼津節伝承会」と湖西市の「湖西民謡保存会」が交流を始めた。このほど、焼津市で開かれた伝承会の演奏会に、湖西の保存会が特別出演。ともに漁業や浜辺の風情を歌った民謡で、互いに共感を深めた。

 演奏会は焼津公民館で開催。湖西民謡保存会が1933年作の「鷲津節」を踊り、伝承会は28年作の「正調焼津節」を披露した。

 「水は浜名湖 浜名は鷲津 いさめ夜明けの トントン初角目」

 「気前荒波 焼津の浜に いつも大漁の ヨーイヤサ 鰹(カツオ)船」

 両会員は互いの歌詞に聞き入り、踊り方を興味深そうに眺めた。

 鷲津節は白秋が湖西市に滞在して作詞した。結成36年目を迎えた保存会の井原裕司会長(68)は、浴衣の裾を短く折った衣装について「昔は浜名湖の水辺で演じ、水上踊りと呼ばれた」と紹介した。

 焼津節は公募で市民が寄せた千以上の歌詞から白秋が8作品を選んで作られた。伝承会は9年目。会員は昔の鮮魚店員をイメージした紺色のはんてんや大漁旗をリメークした衣装で、保存会会員と一緒に踊った。清水和子会長(84)は「湖西の保存会には子どももいる。私たちも子どもは大歓迎」とPRした。

 静岡新聞に掲載された保存会の記事を伝承会の会員が見て、保存会に連絡したことがきっかけで交流が始まった。

 清水会長は「焼津節の歌詞には今は見られない昔の風景もあり、何とか残したい。街おこしのためにも湖西の方々と交流を続けられれば」と期待。井原会長も「今度は焼津の方々にもぜひ湖西に来てほしい」と語った。

 問い合わせは正調焼津節伝承会<電054(629)3359>、湖西民謡保存会<電053(576)2763>へ。



 <メモ>北原白秋 1885~1942年。福岡県出身。詩集「邪宗門」「思ひ出」で詩壇の第一人者に。童謡「この道」「ペチカ」「雨ふり」なども作詞。1927年に静岡鉄道の依頼で民謡「ちゃっきりぶし」を作詞。28年に焼津町(当時)の新聞社が行った郷土民謡の歌詞懸賞募集で選者を務め、焼津節が作られた。32年には湖西市の旅館に滞在して浜名湖周辺を取材し、33年に鷲津節を発表した。

静岡新聞社

最終更新:5/6(土) 8:37

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS