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“かんきつ王国”愛媛で続々商品化 捨てるなんて「もったいない」 果皮の機能性注目

5/6(土) 7:01配信

日本農業新聞

 これまで捨てられることの多かったかんきつの果皮に、注目が集まっている。果皮に花粉症予防や骨を作る働きを助けるなどの複数の機能性成分が含まれており、全国で最もかんきつの生産量の多い愛媛県内の企業で商品化が相次ぐ。果皮には可食部より多量に機能性成分を含んでいるケースが多く、温州ミカンだけでなくポンカン、「河内晩柑」など幅広い品目で利活用が進む。

眠くならず花粉症緩和 四国乳業「エヌプラスヨーグルト」

 乳業メーカーの四国乳業(東温市)は、温州ミカンとポンカンの果皮を使ったヨーグルト飲料「エヌプラスドリンクヨーグルト」を販売する。愛媛大学農学部と共同開発。摘果したポンカンの果皮にノビレチンが多く含まれる点に注目。色素成分の一種、フラボノイド類のノビレチンは、ヨーグルト乳清タンパク質の約50%を占めるベータラクトグロブリンと合わせると、花粉症などの●型アレルギーの緩和に有効なことが分かっている。

 価格は1本(150グラム)168円。西日本のドラッグストアやスーパー、コンビニエンスストアなどで展開し、約1年半で約40万本を販売。「一般的な花粉症向けの薬と違い、眠くならないし、マスクのように耳も痛くならない」(開発研究室)とPRする。

 今後は大学や県などとブランド力の強化や利用促進を目指す「エヌプラス協議会」を年内をめどに設立する。同社の菊池泰三開発研究室長は「花粉症に悩む人は多い。潜在需要は大きく、会社の柱になる商品に育てたい」と強調する。

更年期女性 骨を丈夫に 伊方サービス「みかんパウダー」

 かんきつ加工品の原材料を生産する伊方サービス(伊方町)は、機能性食品として「みかんパウダー」を売り込む。骨を作る働きに作用するベータクリプトキサンチンを多く含み、更年期以降の女性がメインターゲットだ。地域のジュース会社から出た果皮を乾燥し製造する。1袋24グラム入り、約8日分で690円(税別)。

 販売を始めてから約3カ月で約300食分を販売。地域事業課の門田歩課長は「今後は、他品種のパウダーでも表示をしていきたい」と意気込む。

脳の炎症抑制「認知症にも」 県が試作品

 県は「河内晩柑」に多く含まれる香り成分、クマリン類のオーラプテンやフラボノイド類のヘプタメトキシフラボンの機能性に着目、商品開発を進めている。松山大学薬学部のマウス試験で脳内の炎症を抑制する効果があると分かり、認知症予防などに期待が集まる。県は果皮の砂糖漬けやラスクなど試作品を県内に向けPRする。四国乳業も機能性に注目し、「2、3年後の商品展開を目指したい」と強調する。

 県産業技術センターは「果皮に機能性成分があるという認識は広まっている。かんきつ王国ならではの商品を開発し、県外に売り込みたい」と後方支援を整える。(丸草慶人)


編注=●はローマ数字の「1」

日本農業新聞

最終更新:5/6(土) 7:01
日本農業新聞