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妊娠時の不安や孤独 「ベリーペイント」で和らげて 高崎の柴崎さんが普及活動尽力

5/6(土) 6:01配信

上毛新聞

 妊娠中の女性の不安や孤独を和らげようと、おなかに絵を描き安産を祈願する「ベリーペイント」が群馬県内でも注目されている。身体の大きな変化を迎えて不安定になりがちな妊婦の気持ちを盛り上げるため、関係者が尽力している。

◎お腹にペイント 気持ち穏やか ガーゼで写し取り記念に

 高崎市の自宅でベリーペイントを行う柴崎紗織さん(34)は4月下旬、妊娠約9カ月の妊婦、渡辺美涼さん(26)=安中市=のおなかに水性絵の具と筆で絵を描いた。最初は不安そうだった渡辺さんの表情は、次第に柔らかくなっていく。「赤ちゃんにも声が聞こえているかな」。時折おなかに声を掛けながら談笑する。

 季節にちなみ、スズランの花に包まれた赤ちゃんのイラストが完成。最後に水でぬらしたガーゼに絵を写し取った。渡辺さんは「普段からプラス思考を心掛けているが、ペイントで自然と元気になった。ガーゼの絵は額に入れて大切に飾りたい」と笑顔を見せた。

 2歳と4カ月の娘2人がいる柴崎さんは自身の出産の時、つわりが重く、切迫早産になりかけて自宅で安静を強いられた。「妊娠中は人に会うことが少なく、孤独になりがちなケースもある」と説明する。

 3年前に日本ベリーペイント協会(東京)が認定する資格を取得、これまでに30人ほどに描いた。最近は埼玉や栃木などからも来客があるという。

 おなかが膨らむにつれ、下腹部などに表れる妊娠線やへその出っ張りなど、外見を気にする妊婦もいる。写真で記録を残そうとする人にとっては、見せたくない部分をデザインで隠して撮影できる利点もある。「一人でも多くの妊婦さんに笑顔になってもらえればうれしい。出産の経験を生かし、悩み相談にも応じたい」と意気込む。

 東京都監察医務院が2014年までの10年間を対象に実施した調査によると、東京23区内の妊産婦自殺は63件。妊娠中の自殺23件のうち、4割がうつ病などの精神疾患と診断されていたという。

 同協会は設立4年目で、会員は約100人。そのうち6割が出産経験者という。都愛(とめ)ともか代表理事は「まだ日本での認知度は低いが、これからも人材育成に励み、出産への不安を解消したい」と話した。

最終更新:5/6(土) 6:01
上毛新聞