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コマツと日立建機、鉱山機械事業が新ステージへ 成長に向け再スタート

日刊工業新聞電子版 5/6(土) 15:30配信

ジョイ・グローバル買収で補完性高く

 コマツ、日立建機それぞれの鉱山機械事業が新たな段階に入る。コマツは大手鉱山機械メーカーの米ジョイ・グローバル(現コマツマイニング)、日立建機は鉱山機械の消耗部品事業を展開する豪ブラッドケンの買収が完了した。低迷が続いてきた鉱山機械の需要も底打ちしつつあり、成長への足がかりを築く局面を迎えている。コマツ、日立建機ともに同事業の構造が大きく変わりそうだ。

「買収した企業のCEO(最高経営責任者)を変えるのは普通なことだ」―。コマツ本社で 開かれたアナリスト向けの決算説明会で、大橋徹二社長が明らかにしたのは、ジョイ・グローバルの経営陣の刷新だった。

 コマツにとって約3100億円を投じた過去最大の買収なだけに、アナリストからはジョイ・グローバルの経営体制を変えないほうがうまくいくという見方も出たが、大橋社長の考え方は違った。新CEOに選んだのは、ジェフリー・ドーズコマツホールディングサウスアメリカ会長。中南米地域の同事業を統括し、学生時代から鉱山機械を学んできた実力者だ。

経営陣刷新、製品群拡充

 ジョイ・グローバルの業績が低迷しているのも、CEO交代の決断を急がせた要因といえそうだ。5年前まで20%台だった営業利益率が、鉱山機械市場の悪化に伴って2016年度には3・2%に低下。売上高に占める本体の比率も2割に届かなかった。大橋社長はドーズ新CEOに経営の立て直しを託す。

 一方で、ジョイ・グローバルとの製品の補完性は高い。コマツは「露天掘り」と呼ぶ鉱石採掘手法向けの鉱山機械を提供しているが、買収により露天掘りの超大型機や、坑内掘り向け機械を製品群に加えられる。利益率の高い部品やサービスの提供を重視するのも両社で共通している。

 コマツは半年後をめどにジョイ・グローバルとの統合計画を策定する方針。販売面での相乗効果の創出や、コマツが得意とする情報通信技術(ICT)の活用などで方向性を示すことになりそうだ。このほど買収した豪マインウェアも、ICT戦略に関与してくる。鉱山機械向けに土砂の積み込み量を最適化するシステムを提供するためだ。
コマツ、ジョイ・グローバルの機種に対応することが予想される。傘下に収めた2社が同事業の拡大に弾みをつける。

 稲垣泰弘コマツ常務執行役員は「超大型機は(回復の)動きが鈍いが、機械の台数ベースでは底打ちしている」と鉱山機械市場が好転している見方を示す。インドネシアを中心に需要が高まっていて、コマツは同事業の17年度売上高が前期比約10%増の4756億円の見込み。大橋社長は、鉱山機械で首位に立つ米キャタピラーの姿をとらえているはずだ。

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最終更新:5/6(土) 15:30

日刊工業新聞電子版