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欧米人中心の諮問機関「日本の信仰を理解し難い面があった可能性」沖ノ島世界遺産勧告

西日本新聞 5/6(土) 13:06配信

諮問機関イコモス「顕著な普遍的価値は認められない」

 福岡県の古代遺跡「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」の世界文化遺産登録勧告を受け、文化庁幹部は6日未明に記者会見し、構成資産8件のうち、沖ノ島と周辺3岩礁(宗像大社沖津宮(おきつみや)、宗像市)を除く4件が登録勧告から除外された理由として、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関、国際記念物遺跡会議(イコモス)から「顕著な普遍的価値は認められない」と指摘されたことを明らかにした。

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 勧告はまた、沖ノ島について「古代祭祀(さいし)の記録を保存する類いまれな『収蔵庫』」「『神宿る島』沖ノ島の聖性が維持されてきた」などと考古学的価値を認める一方、信仰行為や信仰の意味は後に変容し「一連の宗像大社の資産や古墳群の価値は、国家的なものであり(東アジア)地域や世界的な価値とは認められない」とした。

「信仰という根本的な価値が認められていない」

 岡本任弘世界文化遺産室長は資産の半数が除外された勧告について「厳しい結果だ」と述べ、欧米人中心のイコモスのメンバーには日本の信仰を理解し難い面があった可能性を指摘した。2013年の富士山の文化遺産登録時にはイコモスが除外勧告した構成資産が逆転登録されたが、7月にポーランドで開かれるユネスコ世界遺産委員会で今回除外された構成資産が逆転登録される可能性については「信仰という根本的な価値が認められていないので厳しいのは間違いない。かなり戦略を検討しないといけない」との見方を示した。

資産名の変更、発電施設の建設禁止も勧告

 また、イコモスは資産名を「『神宿る島』沖ノ島」に変更するよう勧告。さらに周辺海域での風力発電施設建設の潜在的可能性や違法上陸、クルーズ船来航などに懸念を示し、景観上問題となる発電施設建設は完全に禁止することも追加で勧告した。

 登録勧告から除外されたのは、大島(宗像市)にある沖津宮遥拝所(ようはいしょ)と宗像大社中津宮(なかつみや)▽本土の宗像大社辺津宮(へつみや)(同)▽祭祀を担った地元豪族の墓とされる新原(しんばる)・奴山(ぬやま)古墳群(福津市)。政府は沖津宮、中津宮、辺津宮について「宗像三女神」を祭るとされるなど信仰的価値を主張していた。

=2017/05/06 西日本新聞=

西日本新聞社

最終更新:5/6(土) 13:06

西日本新聞