ここから本文です

米下院、対北朝鮮制裁手段を行政府に大幅に付与する法案可決

5/6(土) 6:54配信

ハンギョレ新聞

419対1で圧倒通過…昨年の「対北朝鮮制裁強化法」修正・補完 原油販売と移転、北朝鮮労働者の雇用禁止など明示 義務履行はなく、行政府の裁量事項…履行するかどうかは情勢による

 米下院が北朝鮮の核・ミサイル開発に使われる資金源の遮断手段を行政府に大きく付与する対北朝鮮制裁法を圧倒的賛成で可決した。ただし、制裁を加えるかどうかは、大半が行政府の裁量的判断に委ねられているうえ、中国を狙ったものがほとんどで、実際に履行するかどうかは今後の朝鮮半島情勢にかかっているという分析が出ている。

 下院は4日(現地時間)の全体会議で、共和党所属のエド・ロイス外交委員長が3月に代表発議した「対北朝鮮遮断および制裁の現代化法」(制裁現代化法)を票決に付し、賛成419人対反対1で可決した。この法は昨年初め、北朝鮮の4回目の核実験および弾道ミサイル発射に対応して共和・民主両党が党を超えて通過させた「対北朝鮮制裁強化法」を修正する形で制裁内容を補強した。

 新規制裁項目は、ほとんどが行政府が判断して決定するようにした裁量事項だ。人道的目的を除いては、他の国々が北朝鮮に対する原油や石油製品の販売と移転を禁止するようにした項目が代表的だ。他の国々での北朝鮮労働者の雇用禁止や、北朝鮮の食品・農産品・漁業権・織物の購入や獲得、北朝鮮に対する電話・電信・通信サービスの提供などに対する制裁も行政府の裁量に任せた。

 これは行政府がただちに、そして必ず履行しなければならない義務事項ではないということを意味する。ただし、行政府の対北朝鮮制裁権限を大幅に拡大させたという側面がある。

 原油の供給と漁業権、織物の購入などは、北朝鮮と取引する中国やロシア企業を狙った処置だ。米国がこれらの国々の反発を押し切って一方的制裁を断行することは容易ではない。特に、原油供給の場合、北朝鮮の6回目の核実験など特別なきっかけがなければ、米行政府が中国に中止を要求することも難しく、米国の要求があっても中国が供給の縮小を超えた全面中止を実行することはないだろうと専門家らは予想している。

 これとともに法案は▽北朝鮮の国際金融網遮断の不履行者リスト▽北朝鮮に送り出した労働者、雇用外国人および外国機関リスト▽北朝鮮-イラン協力内容などに対する報告書を議会に提出するよう行政府に要求した。法案は「金正男氏暗殺事件」を取り上げ、米行政府に北朝鮮に対するテロ支援国再指定を要求し、法案成立後90日以内に再指定するかどうかを議会に報告するようにした。

 法案は各国の国連安全保障理事会の決議案の履行に対する監視・監督を強化する内容も含まれている。北朝鮮の船舶や航空機、貨物について十分な検査をしていない国の船舶や、安保理決議を守らない国の船舶については、米航行水域への進入と活動を禁止するようにした。対北朝鮮防衛産業物資の取引、国家に対する対外援助禁止、安保理の限度を超過する北朝鮮産の石炭を輸入した場合の資産凍結の規定も含まれている。

 法案は、外国銀行の北朝鮮代理口座の保有禁止と北朝鮮産の物品の米国輸入禁止などを明示しており、新浦海運と金剛グループ、朝鮮中央銀行など6つの北朝鮮企業と団体を追加で制裁リストに上げる案を検討するようにした。

 エド・ロイス委員長は法案通過直後、声明を通じて「今回の法案は、北朝鮮の資金源を遮断する強力な手段を行政府に与えたもの」と明らかにした。法案は今後、上院の議決手続きを経て、ドナルド・トランプ大統領が署名すれば公式発効され、上院の採決日程は決まっていない。

ワシントン/イ・ヨンイン特派員yyi@hani.co.kr(お問い合わせ japan@hani.co.kr )