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慰安婦報告書の研究陣「韓日合意を後押しするような一方的叙述は容認できない」

5/6(土) 7:29配信

ハンギョレ新聞

「合意反対する私たちの意見は削除され…不当な修正を要求」

 「政府が『12・28韓日慰安婦合意』を肯定する意見を無理に記載しようとして問題になったのだ。(次期政府に判断を委ねて)報告書を発表すべきではなかった」

 「日本軍慰安婦被害者問題に関する報告書」の執筆陣として参加した成均館大学のイ・シンチョル教授(東アジア歴史研究所所長)は5日、ハンギョレとの電話インタビューでこのように語った。イ教授は、女性家族部が「慰安婦被害者報告書」の発行を発表したことを受け、4日に他の研究陣と共に女性家族部の報告書の印刷中止と序文の修正を要求した。結局、報告書は、韓日合意の意義などを記載した第9章が筆者のイ・ウォンドク国民大学教授の個人見解であることを明記する水準で是正された。報告書発行のために依頼された研究では、国民大学日本学研究所が政治部分を、成均館大学東アジア歴史教育研究所が歴史部門を担当した。次は一問一答。

-報告書の作成過程にどのような問題があると思うか?

 「草稿作業については、政治パートと歴史パートの研究陣が協議した。問題はそれ以降の修正だが、それぞれ修正を進めており、ほとんど協議が行われなかった。私たち(歴史パートの研究陣)はこの部分(序文と第9章)が入ることも知らなかった。そこに書かれたのは(政治パートの研究陣であり、研究の総責任者である)イ・ウォンドク教授が普段から主張していた内容だ。『韓日関係に突破が必要である』、『積極的に(韓日合意を)活かしていこう』ということだ。共同報告書に自分の個人意見を書いてはならない」

-2015年韓日合意以降前後の状況が問題だったようだ。

 「白書作業が始まった当初は政府の立場が強硬だった。『慰安婦問題は原則的に解決する』、『(慰安婦問題が)解決されなければ、韓日首脳会談もない』と主張していた。私たちも『できるだけ歴史的事実を究明し、真相を明らかにしなければならないが、民族主義に走ってはならない。日本社会を説得できる内容でなければならない』と警戒したほどだ。ところが合意以後、状況が変わった。政府の過ちが大きい。最初から合意の時点で完成した報告書を発行すべきだった。それができなかったからとして、修正を要求すべきではないと思う。当初、我々が受けた依頼はその時点までの立場を書いてくれということだった。政府はその後正反対に変わった自分たちの立場を盛り込もうとしたのだが、私からするとそれは不当で無理な要求だ。第9章を今回のように書いてはならない」

-結局、報告書は修正されなかった。

 「女性家族部側からこれ以上先送りできないと言われた。私たちとしては内部の見解の相違をまとめられなかった。仕方がなかった。イ・ウォンドク教授は、執筆陣を明記すればいいじゃないかと言っていたが、共同研究の結果であるだけに、私たちがイ教授の意見に暗黙的に同意したことになるのではないか。歴史パートの研究陣は、韓日合意に明確に反対する。このようなことを序文に加えようとしたが、受け入れられなかった」

-これをめぐり波紋が広がっている。

 「女性家族部は『最も批判的意見も(報告書に)一緒に盛り込んだからいいのでは』というふうに思っている。(報告書発行時期と関連しても女性家族部は)『次期政府の負担にならないようにする。その前に終わらせる』と言っているが、それは次期政府が決める問題だ。当初、草稿を(韓日合意があった)2015年末に出したから、『両国政府間の合意があったが、社会的には議論になっている』という程度で終わらせるべきだった。なぜ、(今になって)自分たちの立場を詳しく付け加えるのか。(全面的に)修正するかそれとも分離発刊するか、それができないなら、発行せずに(次期政権に)委ねるべきだった」

パク・ギヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)