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【楽天】岸、古巣で勝利に異例の大ブーイング「少しイラッとしたけど…」

スポーツ報知 5/8(月) 6:04配信

◆西武2―3楽天(7日・メットライフドーム)

 楽天が球団初となる、両リーグ最速で20勝一番乗りを決めた。西武からFA移籍したエース・岸が古巣相手に初先発し、今季2勝目をマーク。試合開始前から、10年間在籍した西武ファンに大ブーイングを浴びる異様な雰囲気をものともせず、7回6安打2失点で勝利へと導いた。楽天は2番・ペゲーロが8号2ランを放つなど打線好調で、今季最多の貯金13。5月に入っても勢いは止まらず、首位を快走している。

 いつまでも鳴りやまない雑音は関係なかった。西武ファンの、岸に対する大ブーイング。初回のマウンドに上がった際から巻き起こり、ヒーローインタビューでも声がかき消される、日本では異例とも言える光景だった。一塁ファウルゾーンにあるブルペンでは「そのユニホーム似合ってないぞ!」というヤジも耳に入った。そんな中で、エースが7回2失点の快投を演じた。

 前日の試合中に球場内で発表された予告先発から始まっていた“嵐”。けん制しても、捕手・足立がマウンドに歩み寄った2回にも容赦なく飛んできた。「されるだろうなというのは思っていた。ブーイングだけならまだしも、変なヤジも飛んできて、少しイラッともしたけど、しょうがない。気にせずですね。涌井もされてましたから。楽しんで投げたのがいい結果になったのかなと思う」

 14年にロッテに移籍した涌井もしかり。最近では巨人へ移籍した07年の小笠原、12年の村田も古巣との初対決で強烈な洗礼を浴びた。FA移籍の大物には避けて通れない道だが、岸は感情的なスタンドとは対照的に、勝負に心を躍らせた。3点リードの7回1死、打席には中村。カウント1ボール2ストライクからの5球目だった。「思いっきり投げました」と珍しく力勝負を選んだ。この日最速149キロの直球は高めに浮き、バックスクリーン左の場外まで持っていかれた。

 「同じチームにいても嫌だなと思っていた打線と真剣勝負できるという楽しみがあったし、力でやってみたいという気持ちはあった。3点差あったので。今度はそういう考えで投げないようにしたい。反省ですね」

 かつてのチームメートとの力比べを挑む心の余裕があった。その後、続くメヒアにもソロを浴び1点差となって疲れも見え、さらに2死二塁。球数は110球を超えていたが「あれだけブーイングされて彼のプライドもある。イニングの完了までは行かそうと思っていた」という梨田監督のアシストもあった。後続を抑え7回6安打2失点で2勝目をつかんだ。

 10年間在籍した西武からのFA移籍。古巣への感謝の気持ちは持ち続けている。移籍を決めた後も、志願して昨年11月末にはファン感謝イベントにも異例の参加。惜別のあいさつをした。「(思い出は)いいことも、悪いことも相当ありますね」と懐かしそうに思い返す。だからこそ、かつての本拠地・メットライフで行われる試合は楽天ナインの誰よりも先にグラウンドに出て、西武ナイン一人一人とあいさつを交わす人情深さを見せていた。

 エースの“恩返し”でチームは今季最多の貯金13。12球団で最も少ない27試合ながら、20勝に最速で到達した。日本一となった2013年でも20勝到達は37試合目。「正直ホッとはしています」。完全アウェーをはねのけた、背番号11のマウンドは頼もしかった。(安藤 宏太)

最終更新:5/12(金) 10:55

スポーツ報知

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