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投信の手数料を顧客本位に改めるべきか

投信1 5/7(日) 20:15配信

金融庁は、フィデューシャリーデューティーというものを金融機関に求めています。投信の手数料に関しては、顧客本位の手数料体系にしろ、ということです。

これに関して、セゾン投信の中野晴啓社長と筆者は、ファイナンシャルプランナー(以下、FP)の岩城みずほ先生主催のセミナーで、岩城先生にコーディネーターになっていただき、ディスカッションをしました。その内容をかいつまんでご報告します。

そもそも顧客本位の手数料が必要なのか?

中野:日本の投資信託の運用業界は、投信を販売している大手金融機関の系列会社が支配的なシェアを持っているので、親会社(販売会社)の意向を受けて手数料の高い投資信託を作る傾向にあります。そうした中で、金融庁は、手数料を顧客本位のものに改めるべきだ、としているのです。

ちなみに、投信関係の手数料は、販売手数料(入会金のようなもの)と信託報酬(年会費のようなもの)があり、前者は販売会社が全額受け取りますが、後者は両者で折半すると考えてください。

当社(セゾン投信)は、既存大手投信会社のようなビジネスをすれば容易に儲けることができますが、顧客本位の安い手数料で商売をしています。そもそも当社が投資信託業務に参入した経緯が、既存業界に対する憤りであったことから、当社が彼等のビジネスモデルを真似て儲けるといったことは考えられません。

塚崎:冒頭に明確に申し上げておきたいことがあります。経済は暖かい心と冷たい頭で動いていますし、私にも人並みに暖かい心と冷たい頭があります。しかし、今日は、中野社長との対談ということで、両者の違いを浮き彫りにする会です。そこで、敢えて私は暖かい心を隠して冷たい頭脳で中野社長と対峙します。皆様は決して私を冷たい人間だと誤解なさいませんように(笑)。

中野社長の会社の株主は、クレディセゾンと日本郵便ですね。では、日本郵政(日本郵便の親会社)の株主である私から質問です。大手投信のビジネスモデルを真似すれば利益が増えて配当も増やせるならば、そうして欲しいのですが、なぜそうしないのですか? 

中野:利益を稼ぐことだけが企業の目的ではありません。企業は社会の公器ですから、何もわからない顧客に高い商品を売り付けるようなことをして良いはずはありません。事実、日本郵便も我が社の方針を納得していただいてから出資していただいたものです。

当社は、顧客に対してプロフェッショナルな運用とともに、投資家のコミュニティーの形成や投資知識の啓蒙といった、運用だけでない価値を提供しているという自負があります。

塚崎:わかりました。セゾン投信さんが薄利多売で大手のシェアを奪っていき、将来的には大きな利益を上げて多額の配当をしてくださることを期待していましょう。

岩城:そもそも今回の企画は、飲み会の時に、「出勤途中で道端に人が倒れていたら、助けるか否か」という議論をしたことから始まりました。中野社長は助けるべきとのご意見ですよね? 

中野:もちろんです。運用が人命より大切なはずはありませんから。社員も、そういう温かい社長が好きだ、といって私についてきてくれると信じています。

塚崎:それって、株主の立場からは納得できないですね。ぜひ、急いで出社して全力で運用してほしいです。もっとも、中野社長がケガ人を見捨てるところを誰かに目撃されてSNSに投稿されて、不買運動でも起こされたら悲しいですから、周囲に人がいるかいないかで判断してくださいね。

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最終更新:5/7(日) 20:15

投信1