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瀬川あやか「皆の笑顔のために」自身初の全国ツアー、初日に誓った言葉

5/7(日) 9:06配信

MusicVoice

 【ライブレポート】シンガーソングライターの瀬川あやかが5日に、自身初の全国ツアーとなった『“SegaWanderful” LIVE TOUR 2017 ~ニコニコニッコリ2ッ5リツアー~』を、地元・北海道で完遂した。自身初のフルアルバム『SegaWanderful』をリリースした記念のツアーで、4月28日・東京公演を皮切りにおこなってきた。

【写真】ライブのもよう

 幼いころから歌うことに憧れを持ち、進学のため上京した際に得たきっかけで歌とともに作曲を始め、看護師という職業との二足の草鞋を履くというユニークなスタンスでキャリアを開始し、2016年にシングル『夢日和』でメジャーデビューを果たした瀬川。2017年3月にリリースした『SegaWanderful』は、その幼いころからの思いを実現させた彼女の“今”を映し出したもの、そして同時にこれからさらに飛び出していこうとする彼女の“今”を映し出したものとなっている。

 そんなアルバムに込められた世界を表現すべく、おこなわれたこのツアー。タイトルにある「25」という数字は、初日公演となった東京でのライブの前日に「25歳」を迎えた瀬川の誕生日で、彼女が迎えた歳に引っ掛けたもの。そんな彼女のライブで楽しいひと時を共に過ごそうと、大勢のファンが4月28日、この日のライブハウスに詰め掛けた。

 初日公演となった4月28日の東京・恵比寿CreAtoでの模様を以下にレポートする。

■「いつもの瀬川」を感じさせた始まり

 恵比寿CreAtoは、ステージの後ろ全面に大型のプラズマモニターが設置されており、小型のライブハウスながら非常にビジュアル効果の高いステージとなっている。ステージのスタート前まで、このツアーのタイトル『“SegaWanderful” LIVE TOUR 2017 ~ニコニコニッコリ2(ニ)ッ5(コ)リツアー!!!~』が大きく映し出され、満員となった会場で瀬川の登場を待つ観衆の、期待感をさらに膨らませていた。

 そして定刻を少し過ぎたころ、会場は暗転とともにゼンマイを巻く音、そしてオルゴールの音が会場に鳴り響いた。何かノスタルジックでもありながら、新しい風をも感じさせる音。その空気感をさらに増長させるように、ステージには無数のピンスポットが照らされる。やがてオルゴール音が途切れると、サウンドはステージスタートのSEへと切り替わり、その音にのせていよいよバックバンドの面々が現れる。最後に瀬川が現れると、会場には拍手と大きな歓声が飛び交った。

 いよいよ「いつでも恋はカメレオン」でステージはスタートした。最初の1節を丁寧に、しおらしさすら感じられる雰囲気で歌った瀬川だったが、不意に現れたブレイクに「行くぞ! 東京!」と叫ぶ。その声に観衆は「いつもの瀬川だ!」と感じたのか、大きな歓声で答え、ライブの勢いを高めていった。「The Brightest Woman」「ベストフレンド」そして「ロンリーガール」とアクティブな8ビートが観衆をさらにステージに引き込み、曲をサポートする観衆の手拍子の輪を、会場全体に広げていった。

 この日のライブはソールドアウト。満杯になったこの会場で小柄な彼女の姿は、後ろ側にいた観衆からは見えづらくもなっていたが、彼女は観衆ひとり一人にまで目線を届かせようとして、時にお立ち台に上がり、そして時にはジャンプしながらも、歌の端々で見せる観衆とのコミュニケーションを楽しんでいた。

■皆の笑顔のために

 「今日は小さなニッコリから大きなニッコリまで、すべての笑顔を集めていきたい」。そのライブに向けた心中を明かすように、瀬川は語った。今回ツアー最終日は彼女の故郷・北海道で凱旋の形でおこなわれる。またライブツアー自体が彼女にとっても初めての経験となるなど、今回のツアーは、自身にとって非常に意味深いもの。その印象をさらに味わい深いものにしたい、そんな意図もあったのかもしれない。さらに観衆の「おめでとう!」という声に「2(ニ)ッ5(コ)リな歳になりました!」と嬉しげな表情で礼を告げる。

 何気ない観衆の言葉に、普段の会話のような返答を送る瀬川。彼女のライブは「友人のライブ」に来たような気安さ、そしてフロアとの距離を感じさせない親しみやすさを感じさせる。ステージはアルバムのメインタイトルであり、彼女が初めて作った深い思い入れのある「妄想スニーカー」で再び会場の熱を上げると、「サンサーラ」「声」「タイムマシン」というアコースティック曲を披露。会場皆で彼女の歌のノリを楽しむ雰囲気とはまた異なる、メロディから醸し出される様々な感情のような表現、そして詞に描かれる世界観を存分に披露し、観衆をその彼女のゾーンにさらに引き込む。

 かと思えば、再び瀬川の誕生日の話から「自分の誕生日は、単なるきっかけに過ぎない」とばかりに「ハッピーハッピーバースデー」を披露。曲の終わりに「みんな、おめでとう!」と叫んだ彼女の声が、この日すべての観衆に送られたエールのようにも感じられた。要所で見せたコール&レスポンスで、彼女と観衆の息がぴったり合った様子を見せていたこの日のライブは、リラックスした雰囲気を感じさせる「恋の知らせ」を挟んで、いよいよ後半戦を迎えた。

■己を自覚し、躍進を誓った「未熟なうた」

 「盛り上がってますか!? ニッコリしてますか!? 私もニッコリです! 楽しいです!」と、ラストスパートへの気合いを、吐くように叫んだ瀬川。会場の誰もが、彼女の笑顔につられるようにニコニコした表情を見せる。そしてタオルが舞う「Hight Five!」から、サビのキメで何度もジャンプを見せる「はりーあっぷ」と、アゲアゲな曲が一気に駆け抜ける。最後の歌を迎えるにあたり、彼女は語った。歌い始めたころはなかなか芽が出ず、悔しい思いをしたこと。でも歌が大好きで、ずっと歌を届けていきたいと思ったこと。

 「今もまだ全然だけど、皆さんひとり一人がいるからこそ、今こうして歌えているんです」と、瀬川は感謝の気持ちを込めて語る。その思いを込めるように、ゆったりしたビートにのせた「未熟なうた」な歌で、ステージのラストを迎えた。手拍子で彼女の歌を支える観衆。さらにアンコールをせがむ観衆に応え登場した彼女は、ピアノによる弾き語りで「カレイドスコープ」、そして「毎日は誰にとっても、夢を追いかけていい『夢日和』なんだ、という思いを込めて作った曲」と語るラストナンバー「夢日和」でこの日のステージを締めた。

 この日はサプライズとして、彼女の誕生日を祝うバースデーソングを観衆が彼女に送るなど、瀬川にとって、またファンにとっても忘れられない一日が心に刻まれた。新たな歳を迎えた彼女が、自身のことを「もっと大人だと思ったけど、全然できてなかった。みんなに恩返しがしたいと…」と語りながら、言葉を詰まらせた彼女に「泣くな!」と叫んだ観衆がいた。その言葉に「泣いてないよ!だってみんなチョー最高なんだもん…」と強がりながらも、あまりの嬉しさに言葉を崩す瀬川の姿も見られた。

 「皆の笑顔のために」その一幕には、そんな瀬川の胸にある思いも感じられた。「これからもっとビッグになって、成長した姿を見せたい」と、ライブの終わりに観衆に誓った瀬川。観衆の歓声に喜びを見せ、さらに観衆をリードしてステージを盛り上げる彼女の姿は、まさにビッグになったステージでのパフォーマンスを彷彿させ、その日は間違いなく来ることを予感させるものでもあった。

(取材=桂 伸也)

最終更新:5/7(日) 9:06
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