ここから本文です

GW明け「五月病」気をつけて 岡山大大学院・塚本教授に聞く

5/7(日) 23:40配信

山陽新聞デジタル

 体がだるく、無性にイライラする…。進学や就職から1カ月がたち、新入生や新社会人が陥る危険がある「五月病」。深刻になると、ゴールデンウイーク(GW)明けから出社や登校ができなくなる場合もある。県臨床心理士会副会長で精神科医の塚本千秋・岡山大大学院教育学研究科教授に原因と対策を語ってもらった。

 ◇

 五月病は、あえて診断するなら「適応障害」に分類される。生活環境の激変による心身の疲労がGWを挟むことで一気に噴出し、軽いうつ状態に陥る。本来は受験勉強に明け暮れた大学生が新生活で目的を喪失し、虚脱状態となることを指したが、ストレス過重社会が進展する中、年代にかかわらず使われるようになった。

 心配なのは新社会人だ。過酷な就職活動を経て入社したものの、イメージと現実の仕事のギャップ▽必要以上に周りに合わせようとする過剰適応▽叱られた経験の乏しさ―などから、五月病になるリスクがある。精神的な問題に加え、睡眠障害や食欲不振、過食といった症状が現れる人もいる。

 精神的、時間的な余裕のなさから、カラオケなどその人なりのストレス発散ができず、悪循環に陥るケースも見られる。自分らしい生活リズムを整え、その中に息抜きを意識的に取り入れてほしい。

 上司や家族のフォローはどうすればいいか。大事なのは、頭ごなしに否定しないことだ。五月病になると、自分や会社に対してマイナス思考となりがち。しかし、慣れない環境での不調は当然。肩の力を抜くよう助言してほしい。本人を追い込むだけの「頑張れ」は禁句。飲みに誘うのも人によっては負担となりそうだ。

 子どもにとってもGWは、夏休みとともに不登校のきっかけになりやすい。今の子どもたちは孤立することへの過剰な不安から、無理に周囲に合わせようとする傾向が強く、クラスになじめないことが何より苦痛だ。友人と深夜までスマートフォンでやりとりする子も、やりとりの内容に気を使い、深刻なストレスを抱えている。

 まず親でも教師でも大人に相談することが大切だ。悩みなどを言葉として吐き出すと気持ちが軽くなる。相談を受ける側は「無理しなくても君らしい人間関係を自然に築けるよ」と子どもたちに言ってほしい。自尊感情を持たせ、いつでも相談に乗る姿勢を見せることがポイントだ。

 暇な時間を嫌う現代人の生活スタイルにも問題がある。時間があればスマホなどをいじり、常に刺激を求める。人類史上これほど脳を酷使する時代はなく、負担は相当なもの。GWの最終日ぐらいはゆっくり頭と体を休めてみてはどうだろうか。

Yahoo!ニュースからのお知らせ