ここから本文です

熊本城盛況 被災地復調の兆し 九州行楽地GW人出 阿蘇は途上

西日本新聞 5/7(日) 6:18配信

 今年のゴールデンウイーク(GW、4月29日~7日)は天候や曜日の並びに恵まれ、九州の行楽地は熊本地震で落ち込んだ昨年とは対照的に連日、にぎわっている。被災した名所のうち熊本城や湯布院などはほぼ例年並みの人出に回復。一方、道路の復旧が遅れる熊本県阿蘇地方では一部施設の来館者が5割にとどまるなど復興へは道半ばだ。

【3つの画像】温泉=Onsen?Spa?Hot Spring? 観光表記バラバラ 九州の観光地

熊本城は地震前の水準に

 地震で傷ついた熊本城(熊本市中央区)をひと目見ようと6日、城内の加藤神社に観光客が相次いだ。福岡県大野城市の主婦村上理香さん(41)は家族らと地震後初めて訪問。「テレビで被害を知るだけだったので、見ておきたかった」と話した。熊本城総合事務所によると、連休中の人出は推計1日1万人で地震前の水準に回復しつつある。担当者は「平年の半分ほどと予想していた。連休明けから復旧工事のため大天守にシートが掛けられるので『今しか見られない』と思って来た人も多いのでは」。

阿蘇は途上

 国道57号、阿蘇大橋といった主要道が不通の阿蘇地方では観光客の車が迂回(うかい)路を行き交った。阿蘇温泉観光旅館協同組合によると、3~5日は加盟する約20軒が満室に。担当者は「GW後半5連休というカレンダーに加え、復興支援イベントもあり、何とか埋まった」と胸をなで下ろした。

 ただ、営業が再開できない施設もあり、昨秋の阿蘇中岳噴火の影響も残る。阿蘇山上の阿蘇火山博物館は来場者が例年の5割にとどまり、「団体客が戻っていない」。阿蘇市の飲食業男性は「ミヤマキリシマが見ごろなのに登山客が少ない。まだ敬遠されている」。

大分由布院は例年並みに

 昨年のGW初日に震度5強の余震に見舞われ、観光客が例年の4割に落ち込んだ大分県由布市湯布院町は例年並みの人出。JR由布院駅前の土産品店では5月の売り上げが一昨年比で数%伸び、経営者の川内利訓さん(67)は「うれしい限り。この傾向は6月ごろまで続く」と予測。由布院温泉観光協会の生野敬嗣事務局長も手応えを感じ、「熊本が復興すれば、客足は一層伸びる」と期待する。

「ゴールデンルート」他県へも好影響

 熊本、大分を中核とする九州周遊の観光コース「ゴールデンルート」の集客は他県への影響も大きい。佐賀県有田町で4月29日~5日に開かれた有田陶器市も前年比8万人増の128万人が来場し、例年並みに。長崎県島原市の雲仙岳災害記念館では、同期間の来館者が前年比25%増の2830人。噴火や地震を学ぶ展示品が多く、「熊本地震後にキャンセルが相次いだ修学旅行客も戻りつつあり、自然災害への関心も高まった」としている。

=2017/05/07付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞社

最終更新:5/7(日) 6:18

西日本新聞