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航空機エンジン部品はもはや3Dプリンターなしでは作れない!

ニュースイッチ 5/7(日) 17:14配信

GEの「製造革命」はどのように実現したのか

 航空機エンジンは大きくて複雑だが、驚くほど小さな部品がその性能に大きな違いを生み出すこともある。今からさかのぼること10年前、米GEアビエーションとフランスのサフラン・エアクラフト・エンジンの合弁企業であるCFMインターナショナルは、燃費効率の良い新型エンジンの開発に着手した。

<LEAPエンジン開発のはじまり>

 これが昨年夏から商業運転を開始したエアバスA320neoに搭載されているLEAPエンジン開発のはじまりだった。CFMインターナショナルが手掛けるエンジンは単通路型のナローボディー機用エンジンが主流で、このマーケットは規模が大きいため収益が期待できる。一方、燃料消費と排気ガスを劇的に低減させる必要性に直面していた。

 そんな中、カギとなったのは燃料ノズルだった。GEアビエーションは、試行錯誤の末、効率的にエンジンの燃焼器に燃料を噴射できる燃料ノズルの設計に成功した。

 最近までGEアビエーションでエンジニア部隊を率いていたムハンマド・エフテシャミー氏は「これはスゴイ設計だと思った」と振り返る。

<内部構造が非常に複雑な燃料ノズル>

 ただ、一つ問題があった。内部構造が非常に複雑な燃料ノズルの先端部には溶接やロウ付けが必要な部品が20点以上もあり、設計通りに製造するのはほとんど不可能だった。「8回も鋳造を試みたが、ことごとく失敗してしまったん」(エフテシャミー氏)。

 一方で、シンシナティを拠点とするGEアビエーションのエンジニアたちは、1990年代から3Dプリンター技術のパイオニアであるグレッグ・モリス氏が創設した地元企業のモリス・テクノロジーズと協働してきた。

 モリス氏は人間のものづくりの手法を静かに変えてた。材料を切削するのではなく、レーザーを使って髪の毛ほどの厚さの金属粉末層を溶接して積層することで、コンピュータ上にあるファイルをもとに複雑な部品を3Dプリンターで造形。この一連の製造技術は、材料を切削するのではなく積層するため「アディティブ(積層)」と呼ばれている。

 米ゼネラル・エレクトリック(GE)のエンジニアたちは、長年、モリス氏の工場にある特注の機械で新型エンジン部品の試作品を造形し、新しい設計を何度も繰り返し試してた。

 しかし、エフテシャミー氏をはじめとするプロジェクト担当者にとって、最も関心があったのは3Dプリンター技術を用いて複雑な部品を大量生産することができるかどうかだった。なぜなら、これはまだ誰も挑戦していない試みだったからだ。

 彼らはモリス氏と秘密保持契約を結び、複雑なノズル先端部の設計図を共有した。モリス氏は3Dプリンター技術を使ってニッケル合金でこれを造形し、数日後にチームを招いた。

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最終更新:5/7(日) 17:14

ニュースイッチ