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「松輪サバ」漁獲量の予測手法を開発 神奈川県水産技術センター

5/7(日) 8:03配信

カナロコ by 神奈川新聞

 三浦市の松輪地区で水揚げされるブランドサバ「松輪サバ」の漁獲量を予測する手法を県水産技術センター(同市三崎町城ケ島)が開発した。海水温や塩分濃度などから好不漁を分析し、6月にホームページ(HP)上で漁況予報の速報、旬を迎える8月に確定報を公表する。海況データを用いたマサバの漁獲量の予測は全国初とみられ、同センターは「漁業効率の向上や経営の安定化につなげたい」としている。

 東京湾で取れるマサバは豊富な餌を食べて脂肪分が多いのが特長。特に同地区で水揚げされ、400グラム以上のものが松輪サバと呼ばれている。みうら漁業協同組合松輪販売所によると、同地区の間口漁港で水揚げされるマサバのうち9割近くが該当する。

 熱が伝わらないようにするため、サバに触れずに釣り上げる一本釣りが主流。8月のお盆すぎから11月上旬にかけてが旬で、「西の関サバ、東の松輪サバ」とも呼ばれる人気ブランドだ。

 漁獲量はこの10年ほどで大幅に減少。同センターによると、同漁港では2007年には約603トンだったマサバの漁獲量は減少傾向で、16年には9割近く減って約74トンに落ち込んだ。

 漁業関係者からの要望もあり、2年前から同センターが原因を調査。県漁業調査指導船「江の島丸」が収集した00年以降の東京湾から相模湾にかけての水温や塩分のデータなどを活用したところ、5月の伊豆半島東岸定置網のマサバ漁獲量、6月の伊豆大島周辺の塩分濃度(水深30メートル)、8月の東京湾の表面水温と関係していることが分かった。漁獲量が少なかったり、塩分濃度や水温が高かったりすると不漁になる傾向があるという。

 この関係を利用して漁獲量の予測ができないかと考えた。三つの要因を既存の統計モデル式に当てはめて解析すると、精度が高い予測ができると判断。同地区の1日1隻当たりのマサバ漁獲量(年平均)を00年以降の16年間分計算したところ、予測した数値との誤差は平均で約10%だったという。

 6月に今年の伊豆半島東岸や伊豆大島周辺での数値を基にした速報を、8月には今夏の東京湾のデータを加えてより精度の高い確定報をそれぞれHPに掲載する予定だ。

 同センターは「予測の結果が好漁なら積極的にサバを狙い、厳しければキンメダイやアジなど他の漁に切り替えてもらい、漁業の効率化や経営の安定化を図ってもらえれば」と期待を寄せている。