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秘密戦向けの偽札 川崎、登戸研究所で特別展示

5/7(日) 11:03配信

カナロコ by 神奈川新聞

 旧日本陸軍の登戸研究所が中国での秘密戦向けに製造した偽札を紹介する特別展示「ホンモノの偽札を見てみよう」が、明治大学平和教育登戸研究所資料館(川崎市多摩区東三田)で開かれている。6日には同大文学部教授の館長による展示解説が行われ、25人があまり知られていない通貨謀略の歴史に耳を傾けた。

 展示されているのは、1940年代に製造された交通銀行の10元券の偽札。戦後、古本市場に出たものを資料館が購入し保管する唯一のもので、通し番号と印刷局のスタンプがなく失敗作とみられている。

 館長は、中国経済を混乱させる目的で大量に製造して、登戸駅から南武線、東海道線を経由し下関(山口県)から船で上海に運び、ばらまいた過程を紹介。「国家が他国の偽札を製造していることは秘密中の秘密だった。40億元分を製造し25億元を軍の物資購入などに使った」と説明した。

 偽札は同研究所第三科が製造。製紙や印刷、古い紙幣に見せかける偽装工程の施設は高い塀で囲われ部外者は立ち入れず、残った偽札は多摩川などで処分されたという。参加した50代の男性会社員は「教科書に載っていない本物の歴史が分かる」と話していた。

 特別展示は6月3日まで。入館無料。開館は水曜~土曜日午前10時~午後4時。問い合わせは、資料館電話044(934)7993。