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親が不法滞在者だと私も不法なの?…4歳のダットの問いかけ

5/7(日) 6:34配信

ハンギョレ新聞

国連児童権利協約、韓国の現住所 健康保険なく、具合が悪くても病院を避ける 無償保育の対象にならず、保育費負担 人権団体の子どもの家でやっと「ひと息」  親のいない本国に帰る子どもも 「大韓民国、移住児童の保護義務がある」 「国際基準に沿って移住児童保護を」

 この保育所は182平方メートル(約55坪)の2階建ての家を改造して作った。ドアの前の小さな菜園では子どもたちが植えたミニトマトがすくすくと育っている。しかし、ここは通常の保育所とは違う。室内マットの上を飛び回って遊んでいる子どもたちを見ながら、先生たちは「明日誰かが連絡もなく来ない可能性もある」と気を引き締める。子どもを連れて帰る親が約束の時間に現れなければ、「残業」より「取り締まり」を思い浮かべる。

 未登録の移住労働者の子どもたちの面倒を見る「アジアの窓子どもの家」は1月、京畿道軍浦市(グンポシ)にオープンした。「美しい財団」がスペースを用意し、移住民人権団体「アジアの窓」が運営を務めた。多くの親と同じく、未登録移住労働者たちも子どもを育てるために誰かの助けが必要だ。制度圏の保育所は彼らにはとても遠い。このような保育所数カ所がソウルと京畿道にオープンした理由はそこにある。目の前で飛び回っているが、書類上は「存在しない」子どもたちがここにいる。

 ここの子どもたちは、しょっちゅう具合を悪くし、なかなか治らない。ベトナムから来た両親のもとで育ったダット(4)は、カビが生えた地下部屋で暮らしたためによく肺炎にかかった。50カ月になったが、身体の発育水準は24カ月程度にすぎない。未登録移住児童には健康保険が適用されず、親は病院代を全額払わなければならない。軽い風邪をひいても2万ウォン(約1980円)近くかかる。ペ・サンユン院長は「相当悪い病状でなければ子どもを病院に連れて行かない」と話した。

 子どもたちは「無償保育」の対象ではない。1人当たり毎月100万ウォン(約9万9000円円)程の費用がかかる。後援金などのおかげで本人負担金は10万ウォン(9900円)強だ。「システム」ではなく「善意」に頼っているということだ。うわさが人づてに伝わると、京畿道の他の地域やソウルから軍浦市に引っ越してきた親たちもいる。子どもの家側は「10人ほど通っていたが、取り締まりが強化されると登園する人数が減る」と話した。現在は子ども7人が通っている。

 未登録の赤ちゃんたちはしばしば親のいない本国に一人で帰ったりもする。先週にも6カ月の赤ちゃんが、ついに登園をあきらめて本国に戻った。子どもの家に送ったとしても、夜9時過ぎまで親の残業・夜勤が続き子どもの面倒を見てくれる人もお金もないからだ。赤ちゃんの母親はペ院長に電話してわんわん泣いた。ペ院長は「一時的な子どもに対するビザ発給など、最小限の『保育を受ける権利』を保障してもらえれば、乳離れもしていない子どもが家族と別れることはないだろう」と話した。国内の家庭は「保育の空白」の時間帯に政府や地方自治体の緊急子どもケアサービスなどを利用するが、彼らにまで門が開かれているわけではない。

 移住児童支援団体は、未登録移住者の子どもを支援できるよう「移住児童権利保障基本法」を制定しようと努めたが失敗した。現在、児童福祉法などを改正して支援する方法を模索中だ。公益人権法財団「共感」のソ・ラミ弁護士は「児童保護という普遍的人権問題を韓国社会は放棄している」と話した。「すべての児童はいかなる種類の差別からも保護されなければならない」という国連児童権利協約を、韓国は1991年に批准した。

軍浦/パク・スジ記者、イム・セヨン教育研修生(お問い合わせ japan@hani.co.kr )