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稀勢の里、必殺の左が使えない…「まだこれから」

スポーツ報知 5/8(月) 6:05配信

 大相撲夏場所(14日初日・両国国技館)で左上腕などの負傷から復活を目指す横綱・稀勢の里(30)=田子ノ浦=が7日、2日連続の出稽古を敢行した。埼玉・草加市の追手風部屋で今場所初顔合わせが確実な東前頭三枚目・大栄翔(23)を指名、14勝1敗と圧倒した。だが視察した相撲解説者の舞の海秀平さん(49)は横綱の代名詞、左のおっつけが出ていないことを指摘。生命線の左が使えないまま挑む夏場所での3連覇へ厳しい見解を示した。

 「ちっ」。稽古場に稀勢の里の舌打ちの音が響いた。夏場所初日に向け2日連続の出稽古。大栄翔を送り出したが、動きに納得がいかない。厳しい表情で首をかしげ、テーピングを何重にも巻いた左腕を気にするようなしぐさを見せた。14勝1敗と結果は圧倒。「再発の恐怖心? そういう気持ちだったら稽古してないから」と本人は本場所へ前向きな言葉を並べた。

 「思い切り来ていい」。稽古前には、今場所で横綱と対戦する地位に初めて番付を上げた若手に、萎縮しないよう声をかけた。現状を確かめるためには全力の稽古が必要。負傷した左胸からもぶつかった。「いいんじゃない。昨日より今日の方がいい。まだこれから」と好感触を得た。だが、6日の横綱昇進披露宴では7日に弟弟子の関脇・高安(27)を相手にすることも示唆したが、結局は出稽古を選択。普段なら弟弟子との激しい三番稽古をしている時期だけに、調整の遅れが心配される。

 必殺の左も鳴りを潜めた。視察した舞の海さんは「以前のように左からの強烈なおっつけがなかった」と指摘。春場所で負傷した左大胸筋部分断裂、上腕二頭筋短頭損傷は全治1か月。舞の海さんは状態について「(初日に)間に合う、間に合わないとかではない。完治するけがじゃない」と指摘。稀勢の里にとって左は生命線で「徐々に左が使えるように? まだそこまではいってない。半年、1年かけて使える部分を生かしながら相撲を取っていくしか…」と表情を曇らせた。

 自らを何度も窮地から救い、突破口を開いてきた命綱とも言うべき、左。それが使えないまま横綱、大関らと対戦するには不安が残る。8、9日は二所ノ関一門の連合稽古。玉鷲(32)=片男波=、琴奨菊(33)=佐渡ケ嶽=の両関脇ら役力士が参戦予定だ。「できれば上位の力士とやりたいですけどね」。上位陣とどれだけ戦えるかをはかる貴重な場となり、本場所の結果を占う重要な一日となる。(秦 雄太郎)

最終更新:5/8(月) 6:05

スポーツ報知