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「韓国のトランプ」が大統領選に急浮上…9日投開票

スポーツ報知 5/8(月) 7:04配信

 9日投開票の韓国大統領選で保守系旧与党の伏兵、洪準杓(ホン・ジュンピョ)候補(62)が、逆転勝利する可能性が出てきた。各種世論調査で革新系最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)候補(64)がトップを維持しているが、追っていた野党第2党「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)候補(55)が失速し、洪氏と2位争いをする展開。革新候補同士が票を食い合い、9日までに北朝鮮が核実験を行えば、奔放な発言で対北強硬姿勢を貫き「韓国のトランプ」とも呼ばれる洪氏に一気に票が集まる展開もありそうだ。

 韓国の世論調査機関リアルメーターが3日に発表した支持率調査は、文氏が42・4%でトップを保っている。一時は文氏と並んでいた安氏は伸び悩み、朴前大統領と同じ「自由韓国党」の洪氏と18・6%で並んでいる。韓国の公選法上では、これが開票前の最終世論調査となる。だが、大どんでん返しの可能性は小さくないようだ。

 一般的にも韓国大統領選は「パラム(風)=不安定要素=に左右されやすい」と言われる。「韓国の世論調査はあてになりません」と断言するのはコリア・レポート編集長の辺真一氏。盧泰愚氏が当選した1987年の大統領選以降、6回の選挙を見ると、世論調査どおり順当に選ばれたのは2007年の李明博氏の時だけ。残り5回は逆転で大統領が決まっている。辺氏は「今回も保守の洪候補が選ばれる可能性もゼロとは言えません」と指摘する。

 洪氏以外の他候補が革新同士で票を食い合っているのが現状だ。安氏は保守層の支持を得るために「中道」と称しているが実質的には文氏と同じ革新。またテレビ討論で支持率を上げ、4位につけている女性候補者、シム・サンジョン氏(58)も革新だ。辺氏は「主要候補者を4人とすると革新が3人、保守が1人という構図です。洪氏の自由韓国党は、朴槿恵前大統領と同じ党なので、風当たりは強いですが『隠れ保守』が多く投票に行けば流れは変わるかもしれません」と話す。

 保守層を投票に駆り立てる可能性がある最大の要素は、北朝鮮情勢だ。北朝鮮が6回目の核実験を強行すれば、対北対話路線を貫いてきた文氏の支持率は一気に下がるのは確実。87年の大統領選では、開票17日前に北朝鮮工作員による大韓航空機爆破事件が発生。軍人出身の保守、盧泰愚氏が当初優勢だった革新の金泳三氏に逆転して当選している。

 辺氏は「(投票日の)5月9日は、金正恩が朝鮮労働党委員長に就任して1周年となる日です。米国や中国に屈しないぞという姿勢を見せるために核実験をやる可能性がないとは言えない。それを望んでいるのが洪準杓ではないか、というブラックジョークが出てきてもおかしくありません」と指摘する。

 演説では文氏を「うそつき」、安氏を「煮え切らない人間」と酷評する洪氏は、奔放な発言で知られる。テレビ番組では「天が決めたことで女性の(皿洗いなどの)仕事を男がやってはいけない」などと女性差別的な発言をして批判を浴びたこともある。4月下旬には2005年に出版した自叙伝で、高麗大生時代の1972年に同級生が企てた性犯罪の謀議に加わった話を紹介していることがネット上などで広まった。洪氏は「私が関与したわけでなく、伝聞を紹介しただけ」などと釈明したが、非難は高まっている。

 そんな洪氏を当選させようと、自由韓国党は躍起だ。6日には、朴政権時代に離党した議員14人を復党させ、親朴派中心人物に対する懲戒を解除することを決定。すべては票を伸ばすために洪氏が決めた措置だという。波乱必至の大統領選、果たして結果は―。

最終更新:5/8(月) 7:04

スポーツ報知