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NHKマイルC制したアエロリットの菊沢師 我慢の馬作りが花開いた

スポーツ報知 5/8(月) 21:26配信

 5月7日に東京競馬場で行われた第22回NHKマイルCは、2番人気のアエロリットがG1初制覇を果たした。管理する菊沢隆徳調教師(47)=美浦=にとっては、騎手時代にも縁のなかった初のビッグタイトル。前日6日にはダイワキャグニーがプリンシパルSを制し、厩舎初の日本ダービー(5月28日、東京)に挑むことも決まった。2011年の厩舎開業以来、貫いてきた、じっくりと育てる馬作りがいま花開きつつある。

 7日のNHKマイルCは、アエロリットの勝利で幕を閉じた。馬が初めてのG1制覇なら、菊沢隆徳調教師も初制覇。JRA通算639勝を挙げた騎手時代も含め、初めてのビッグタイトルとなった。

 騎手時代は玄人好みのいぶし銀として知られ、重賞10勝の平均人気が7・5、平均単勝配当が3704円という穴メーカーでもあった。レオリュウホウに騎乗した2000年の日経賞では、単勝1万9390円の大万馬券を演出。1998年の日本ダービーでは、15番人気のダイワスペリアーで、スペシャルウィークの3着に食い込んだ。個人的には、98年のクイーンCを制したエイダイクインとのコンビが印象深い。

 「ジョッキーの心は忘れたくない」との決意を胸に厩舎を開いた。時間の許す限り管理馬にまたがって状態を確認する姿は、黙々と調教をつけていた騎手時代のイメージと変わらない。ヴィクトリアマイルに出走するウキヨノカゼ(父オンファイア)は7歳の今年、福島牝馬Sで重賞3勝目をマーク。11年3月の開業時から16年1月まで、約5年にわたって厩舎に在籍したパワースポット(父スズカマンボ)は、8歳まで41戦をこなし、1億2000万円近い本賞金を獲得した。馬の生涯を見据えた仕上げで、息の長いサラブレッドを育て上げてきた。

 じっくり仕上げる厩舎スタイルは、時に勝ち星から見放される期間も生んだ。特に開業から数年は楽ではなかったはずだが、「我慢するのは慣れているから」と笑っていたのを思い起こす。現在のオープン馬は4頭。今春は毎週のようにG1参戦が続く。目先の勝利にとらわれず、じっくりと厩舎を作ってきた成果が今、花を開きつつある。

 トレードマークは屈託のない笑顔。皆に“菊ちゃん”と呼ばれる人当たりのいい好漢だが、それだけにとどまらない芯の強さを秘める。義兄・横山典弘騎手も一目置く、確かな仕上げの技術がある。6日にはダイワキャグニーがプリンシパルSを制し、厩舎初の日本ダービー挑戦も決まった。騎手時代、ダービー初挑戦で3着に入ったのが、前記のダイワスペリアー。同じ「ダイワ」の勝負服で、大仕事をやってのけるかもしれない。(椎名 竜大)

最終更新:5/8(月) 21:26

スポーツ報知

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