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北の富士さん、稀勢の里に“ウルフ流”金言「無理にV狙うな!序盤は慎重に」

スポーツ報知 5/9(火) 5:03配信

 左上腕などの負傷から復活を目指す横綱・稀勢の里(30)=田子ノ浦=が8日、相撲解説者の北の富士勝昭さん(75)から“ウルフ流”金言を授けられた。夏場所(14日初日・両国国技館)に向けて千葉・船橋市の二所ノ関部屋で、同一門の連合稽古に参加。視察に訪れた大先輩は、1981年の横綱昇進2場所目で左足首の故障を抱えたまま出場して優勝した千代の富士(故人)の姿を重ね、2つの助言を贈った。

 連合稽古を視察した北の富士氏は、本調子でない稀勢の里を“昭和の大横綱”に重ねた。「千代の富士もそうだった。出すか出さないか迷ったよ。休むも地獄、出るのも地獄」。思い出したのは81年の九州場所。左足首の故障を抱えた弟子は昇進後2場所目で横綱初Vを果たした。「こういう経験はみんなしている。それが早く来ただけ」。自身も52代横綱として綱の重責を知るからこそ、2つの金言を贈った。

 〈1〉「こういう状態だから無理して優勝を狙うことはない。けがしないようにやればいい」。37年夏場所の双葉山以来、80年ぶり4人目となる初優勝からの3連覇がかかる夏場所。稀勢の里は状態を「非常にいい」と評しているが、いまだ三役以上の力士とは相撲を取っておらず調整は遅れている。千代の富士は81年の場所前に「良くて9勝か10勝かと思っていた」と語っており、無欲が好成績につながった。

 〈2〉「序盤は慎重に取ること。けがが良くなってくれば取れるというのもあるから」。千代の富士は12日目まで11勝1敗。後半に向けて調子を整え、優勝決定戦の末に横綱初Vをつかみ取った。大関、横綱戦の始まる後半までは我慢。けがを悪化させず、相撲勘を取り戻すことが必要になると説いた。

 稀勢の里はこの日、幕内・豪風(37)=尾車=ら2人に14勝2敗。十両・琴恵光(25)=佐渡ケ嶽=と8番取って病院送りにする地力の違いも見せたが、得意の左からのおっつけは使わず。「(前日より)だいぶいい」と回復傾向にはあるものの、本調子でないのは事実だ。故障を乗り越え賜杯をつかんだ“ウルフ”は以後、横綱として29回の優勝を達成した。試練の時を迎えている横綱も「また違うものを得られる気もするし、いいきっかけになるチャンス」と闘志を燃やした。(秦 雄太郎)

 ◆千代の富士の81年九州場所 新横綱だった秋場所で左足首を痛め3日目から休場し、完治しないまま本場所に臨んだ。4日目に東前頭3枚目・大錦に敗れるも1敗を守って終盤戦へ。13、14日目は西張出小結・朝汐(しこ名は当時)、東関脇・隆の里に連敗を喫したが、千秋楽の優勝決定戦では本割で敗れた朝汐に雪辱して横綱初優勝を果たした。2代目・若乃花が全休、北の湖が途中休場し1人横綱の場所でもあった。

最終更新:5/9(火) 5:03

スポーツ報知