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中2生は勉強嫌いが約6割 大規模な追跡調査で判明した「勉強が好きになった子」の特徴とは

5/8(月) 12:02配信

ベネッセ 教育情報サイト

東京大学社会科学研究所と、株式会社ベネッセホールディングスの社内シンクタンク「ベネッセ教育総合研究所」は、2014年に、「子どもの生活と学び」の実態を明らかにする共同研究プロジェクト(親子パネル調査※)を立ち上げました。
今回は、2015年と2016年の2時点における調査から、12学年にわたる学習の実態や変化を明らかにしました。主に、学習意欲(勉強の好き嫌い)に注目し、勉強が好きになった子にはどのような特徴があるのかを検討しています。

本調査の主な結果は、以下の通りです。

■中2生と高1生は、1年前よりも学習時間を減らす子どもが5~6割いる。

●学習時間の平均は、小1生から中1生まで堅調に増加するものの、中1生から中2生にかけて8分減少する。同様に、中3生から高1生にかけては31分減少する。【図1】

●同じ子どもの変化を1年間追跡した結果では、中2生の約半数、高1生の6割が前年よりも学習時間を減らした。中だるみや学習ばなれが起きやすい学年であることがわかる。【図2】

■勉強が「嫌い」は中2生ではじめて半数を超え、約6割に。

●勉強が「嫌い」(「まったく+あまり好きではない」、以下同様)は、小1~6生では2~3割にとどまる。しかし、小6生から中2生にかけて26.0ポイントも増加し、中2生で約6割に達する。【図3】

■1年の間に「嫌い」だった勉強が「好き」に変わる子どもが約1割いる。

●同じ子どもの勉強の「好き嫌い」について1年間の変化をみると、「好き→嫌い」に変わった比率は小6生→中1生(19.2%)や中1生→中2生(17.4%)に多い。一方、「嫌い→好き」に変わる子どもも、すべての学年で1割程度いる。【図4】

■勉強が「好き」になった子どもは、学習時間が増加し、成績も上昇。

●勉強が「嫌い→好き」になった子どもは、他の子どもに比べて前年よりも学習時間を増やしている(35分増加)。また、成績が上がったのは26.8%で、他の子どもよりもその比率は高い。【図5】

■勉強が「好き」になった子どもは、高い学習意欲をもち、学習方法を工夫している。

●勉強が「嫌い→好き」になった子どもは、「新しいことを知るのがうれしい」という内発的な学習動機をもって勉強している比率が高い(35.2ポイント差)。【図6】

●勉強が「嫌い→好き」になった子どもは、さまざま学習方法を工夫している比率が高い。【図7】

今回の調査では、子どもが自ら学び続けるうえで重要な要素である「勉強が好き」の比率が小6生から中2生にかけて減少し、「嫌い」が大幅に増えることがわかりました。「嫌い」の比率は中3生以降も高く、勉強が嫌いなまま高校を卒業する子どもたちが多くいます。

一方で、1年間の追跡調査の結果からは、勉強が「嫌い」な子どもが増える中学生以降にも、「勉強が 好きになった子」が1割程度いることがわかりました。こうした子どもの特徴を分析することで、勉強が好きになるためにはどうしたらよいかを考える手がかりが得られます。この子たちの多くは、「新しいことを知るのがうれしい」(内発的動機づけ)、「自分の希望する高校や大学に進みたい」(同一化的動機づけ)といった高い学習意欲をもち、さまざまな学習方法を工夫しています。また、追跡した1年の間に学習時間を増やしたり、成績が上がったりした比率が相対的に高いのも特徴です。学習動機をもち、一定の学習時間を確保し、効果的な学習方法を身につけていくことが、「勉強好きな子ども」を育てるうえでとても大切なことがわかります。

これ以外にも、本調査の中には、「中2問題」を解決するヒント、「勉強好きな子ども」を育てるヒントがたくさんあります。本プロジェクトでは、子どもの「自立」の重要な要素の一つである「学習」について継続的に調査します。日ごろの経験や学校生活は学習にどう影響しているのか、保護者や周囲の大人はどのような支援をすべきかなどについて分析を深め、今後も結果を発信していきます。

●今回の調査結果は以下のページで公開しています。
 http://berd.benesse.jp/shotouchutou/research/detail1.php?id=5095

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