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平成の大合併、旧議場どうなった 展示場、図書館、ホール…

5/8(月) 18:05配信

福井新聞ONLINE

 「平成の大合併」で、福井県内は35市町村が17市町になった。合併で“誕生”した10市町は役所や役場を再編。本庁舎の建物以外は支所や分庁舎などとして利活用するケースが多いものの、議会活動が行われていた議場部分は構造が特殊なこともあって取り扱いはまちまち。どうなっているのか調べると―。

 2004~06年に県内は4市3町を除く28市町村が2~4自治体ずつ合併し、本庁舎となった役場以外で旧織田町と旧宮崎村、旧今庄町の役場がすでに取り壊された。支所などとなった15カ所の役場で議場部分を改修した上で活用しているのは▽旧美山町▽旧春江町▽旧丸岡町▽旧越前町▽旧河野村―の5カ所だ。

 このうち、06年2月に福井市に編入合併した美山町の旧役場に足を運んだ。議会活動が行われていた3階は、じゅうたん敷きの廊下に木目調の壁と高級感のある雰囲気のまま。「ここが本会議場だったところです」と職員に案内された部屋には風景画がずらりと並んでいた。同町出身の洋画家で2年前に107歳で死去した豊田三郎さんの作品を展示する「豊田三郎記念ギャラリー」となっていた。

 市美山総合支所などによると、ギャラリーは06年5月に80平方メートルの「全員協議会室」に開設され、13年には隣接する131平方メートルの「本会議場」を改修して拡張。年間延べ700~800人が訪れるという。

 本会議場が常設展示場、全協室が企画展示場で合わせて39点を展示。常設展示場の床は西側から東側へゆるやかに下り、議場だった名残が感じられる。豊田さんから寄贈された絵画は全部で238点。ほかの絵は正副議長室だった収蔵庫に保管する。

 旧越前町役場の議場部分は、現越前町の町立図書館越前分館に。分館職員は「別のところにあった旧町時代の図書館に比べ、広さも蔵書も増えています」と声を弾ませる。旧丸岡町役場の議場は公民館のホールなど、広さをうまく使った活用方法が目立つ。

 残る10カ所にも、今後の方針を聞いた。すると「もう建物全体を取り壊すことになっている」と、越前市今立総合支所となった旧今立町役場の管理担当者。

 同支所の本会議場などは往年のまま。許可を得て見学すると、白いカバーを付けた立派ないすなどは当時と同じように備え付けられていた。もったいない気もするが、老朽化のために支所機能は18年8月に完成する新しい施設に移し、来秋以降に解体するそうだ。

 旧三国町、旧上志比村の役場も解体を予定。旧上中町役場だった若狭町上中庁舎の議場は、広域組合の会議などにそのまま活用する計画があるとか。

 このほかは改修の構想があっても時期は未定だったり、まったく予定がなかったり。暫定的に一部を会議室や倉庫として使っているケースも多い。ある自治体の担当者は「なかなか予算がないので…」。行政も“懐事情”が厳しい折で大変だが、せっかくのスペース。有効活用してほしいものだ。