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日本一目指し一芯二葉 全国品評会へ「そのぎ茶」茶摘み

長崎新聞 5/8(月) 10:23配信

 県内生産の約6割を占める茶どころ、東彼東彼杵町の町民が産地を挙げて9月に大村市で開かれる「全国茶品評会」で初の日本一(農林水産大臣賞)を目指している。複数の農家は住民らの協力で約20年ぶりに茶葉の手摘みを復活。全国に「そのぎ茶」の質の高さをアピールし、知名度や評価の向上へつなげたい考えだ。

 5月1日、同町中尾郷にある大山良貴さん(46)の茶畑には、ボランティアの住民ら約140人が集まった。1メートルほどの間隔で並び、葉が開いていない新芽と周辺の2枚の葉を一緒に取る「一芯二葉(いっしんによう)」という方法で黙々と茶葉を摘んでいった。従来の専用機による収穫に比べ、長さをそろえ丁寧に収穫できるため仕上がりの見た目が数段よくなるという。

 手摘みにこだわった理由を大山さんはこう語る。「手間はかかるが日本茶の消費が減少する中、今こそ労力をかけるべきだ」

 そのぎ茶は、渋味が少ないまろやかさが特長の「蒸し製玉緑茶」に分類される。全国での生産シェアは約4%と希少な茶種だ。町によると、町内の生産量は2007年の約639トンから、16年は約440トンに減少。出荷額、農家数も減っている。厳しい現状を打開しようと、昨年11月~今年2月、大山さんら若手・中堅農家の数人は輸出を見据え、オランダなど海外を視察。産地の将来を真剣に考え動いている。

 全国茶品評会は、11月に佐世保市をメイン会場に本県で初めて開く「全国お茶まつり長崎大会」に先立ち開かれる。今年で71回を数える伝統ある大会だ。味や香り、見た目などで品質を競う。10年の農林水産祭で天皇杯を受賞するなど全国で実績を残している同町一ツ石郷の松尾政敏さん(47)も今回は手摘みで収穫した。「賞が全てではないが(大会を機に)産地として同じ方向を向くことはいいこと。今後の茶づくりの礎になる」と話す。

 そのぎ茶が日本一を狙う「蒸し製玉緑茶」の部門には九州5県から125農家が出品する見込み。個人の農林水産大臣賞と産地賞(個人上位3人の合計)を目指す。本県からは6月に開く県茶品評会の上位30品程度が出品される予定。佐世保市の世知原地区も手摘みに取り組むなど日本一獲得に意欲をみせている。

長崎新聞社

最終更新:5/8(月) 10:23

長崎新聞