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異例尽くしの韓国大統領選 ソウルの街角は

ホウドウキョク 5/8(月) 12:02配信

ソウルの街は、初夏の陽射しが降り注ぎ、乾燥した空気の夏日が続きます。
行き交う人々の中にマスク姿が多いのは、花粉症ではなく、偏西風が中国大陸から運ぶ有害物質に国土が覆われ、大気汚染注意報が発令され続けているからです。

5月に入り韓国は、3日水曜日が旧暦4月8日の「釈迦誕生日」、5日金曜日が「こどもの日」と祝日が続き、国民は、春の旅行シーズンに浮足立っています。
しかし、ソウルの繁華街の様相は例年と大きく異なり、日本人観光客の姿がめっきり減りました。
日本国内に広がる北朝鮮の武力挑発への危機意識が、韓国旅行を躊躇(ちゅうちょ)させていることがよくわかります。

韓国では北朝鮮に対する危機意識は感じられず

韓国に来て驚いたことは、日本人の北朝鮮に対する警戒心とは対照的に、北朝鮮の武力挑発からアメリカ軍の北朝鮮爆撃に至りかねない、目前の危機意識が全く感じられないことです。

今から24年前の1993年から翌年にかけて、アメリカ軍が、北朝鮮核施設の空爆開始直前にまで至った「朝鮮半島第1次核危機」の歴史的教訓が、韓国では全く生かされていません。

韓国の危機意識の鈍さを痛感したのは、4月29日土曜日早朝に北朝鮮がミサイル発射した直後の日韓両国のテレビ報道の格差でした。

韓国のテレビは「日本の過剰反応」と批判的な報道

日本のテレビは、第1報の直後から担当記者のスタジオ解説を軸に、ソウル・北京・ワシントンなど各都市からの特派員レポートで多角的に伝えました。
一方の韓国は、朝のテレビニュースの最後、天気予報の直前に20秒程度の原稿をキャスターが読んだだけの素っ気ないものでした。

さらに韓国テレビ各社の夜のメインニュースは、日本政府が早朝から国家安全保障会議を招集したり、東京の地下鉄を10分間も運休させたりする、北朝鮮のミサイル発射失敗に対する「日本の過剰反応」への批判的な報道でした。
北朝鮮武力挑発は選挙戦の争点にはならず、有権者の関心はもっぱら候補者家族のスキャンダルなど、身近な問題に集中しているのが実態です。
 
これから5月9日の投票日までは、法律で世論調査結果の発表が禁止されますが、最新の世論調査を総合すると、「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)候補が40%前後の支持率を維持しているのに対し、「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)候補が20%台前半に大きく失速したのが目立ちます。

これは、選挙戦が進み、候補者一本化への希望が絶たれたことで、15%といわれる本来の固い保守支持層が、朴槿恵(パク・クネ)政権与党セヌリ党の流れをくむ「自由韓国党」の洪準杓(ホン・ジュンピョ)候補支持に集結したためです。

さらに、離党して保守新党を結成した反朴槿恵派議員13人が復党するなど、土壇場で保守再結集の巻き返しが始まり、2位争いが激化しましたが、それが文在寅候補の独走を支援する結果になっています。

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最終更新:5/8(月) 12:02

ホウドウキョク