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訪日外国人客、誘致のけん引役は豪華クルーズ船にあった! 日本は“波”に乗れるか

5/8(月) 14:40配信

日刊工業新聞電子版

外国人客11倍の200万人

 日本を訪れるクルーズ船が急増している。2016年に日本を訪れた外国船社運営のクルーズ船の寄港は1444回(10年比約4.3倍)、クルーズ船で訪れた外国人客は約199万人(13年比約11.4倍)と、訪日外国人客誘致のけん引役だ。世界市場も拡大が見込まれ、国も“波”に乗ろうと官民連携による港湾整備などを進めている。

 世界のクルーズ産業は中国をはじめとしたアジア諸国の経済発展による富裕層の増加で急拡大。世界市場規模は約2255万人(14年)、アジア地域のクルーズ市場規模は20年に380万人との予測もある。日本への寄港の増加も、中国発のクルーズが増えたためだ。

クイーン・エリザベス、横浜発着クルーズ

 大型クルーズ船の寄港による経済効果は1人当たり3万―4万円、1寄港当たり1億円を超えるとの試算もある。少子高齢化が進む中で衰弱する地方を活性化する起爆剤としても期待されている。

 14年に神戸港に初入港した英クイーン・エリザベスは、19年には大黒ふ頭の新客船ターミナル完成に伴い、横浜発着クルーズを実施する計画。函館、青森、秋田、金沢、境港、八代の6港に初寄港する予定。20年の東京五輪・パラリンピックに向け、ますます盛り上がっていきそうだ。

寄港地増加、官民連携で拠点整備

 国土交通省は横浜、清水、佐世保、八代、本部、平良の6港湾について、「官民連携による国際クルーズ拠点」を形成する拠点として選定した。国は民間投資を活用した旅客施設、商業施設の整備や、クルーズ船による岸壁の優先使用、インフラの整備を組み合わせて拠点を構築していく方針だ。

 国は2016年に、クルーズ旅客施設を無利子貸付対象施設に追加、官民連携の体制構築、港湾情報提供施設に関する法整備などを主な内容として港湾法を改正した。国際クルーズ拠点の選定も、こうした下敷きに沿ったものだ。

 選定された港湾もそれぞれに青写真を描く。清水港は清水駅周辺の市街地に近いため、ウオーターフロント地区の再開発と連動した方向を打ち出す。八代港は従来の物流中心の利用から“人流”利用への転換を掲げる。

 国では旅客施設などへ投資する船社に岸壁の優先使用などを認める新たな仕組みを検討している。当然、船社をはじめとする民間と地域の目指す目標のきちんとしたすりあわせが欠かせない。

 カジュアルクルーズの人気上昇によりクルーズ船は大型化が進み、岸壁、水深の確保など、従来とは異なるレベルでハードウエアの整備も求められる。官民連携で課題を解決し、地域活性化を実現することが期待される。

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