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外国人向け「おくりびと」元警察官が起業 葬儀や遺体輸送を代行

西日本新聞 5/8(月) 10:45配信

 在留外国人が増える中、日本で亡くなった外国人の葬儀や遺体の海外輸送の代行を葬儀仲介業「トップリライアンス福岡」(福岡市博多区)が始めた。「異国で最期を迎えた人を安心して送りたい」と願う声に応えた。まだ半年程度だが、外国人を抱える企業や留学生が関心を寄せている。

 この会社は福岡県警の元警察官田中秀明さん(58)が4年前に起業し、昨年11月から外国人の葬儀や遺体輸送の代行サービスを始めた。同様の代行会社は東日本や関西に数社あるが、九州では珍しい。田中さんによると、代行業者が福岡空港から海外に遺体を運んだ事例はまだないという。

 きっかけは、九州大の留学生が急逝したとき、費用や協力者が不足して遺体を母国に送れなかったと聞いたこと。昨年9月には、福岡県の企業で働くスリランカ人の父が日本滞在中に急死し、企業から相談を受けた田中さんが火葬の手配を引き受けた。

 火葬しない遺体は、提携する鹿児島市の企業が防腐や殺菌処理し、長く保存できるようにする。傷があれば修復する。英、中、韓、タイ、インドネシアなど8カ国の言葉に対応可能で、大使館や母国の家族との連絡、通関手続きも担う。

 田中さんは「せっかく日本に来てくれた人たちなので、最悪の事態になったときも手助けしたい」と話す。費用は約70万円で、他に航空運賃や通関費が必要。

 2015年に九州で亡くなった外国人は348人。田中さんの会社には外国人が働く企業などから仕組みや料金の問い合わせが来ており、需要は増えるとみている。愛知県で日系ブラジル人を30年以上雇っている人材派遣会社の林隆春社長(66)は「外国人の終末期を支える仕組みやサービスは近い将来、もっと必要になるだろう」と指摘する。

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西日本新聞「新 移民時代」取材班
imin@nishinippon-np.jp

西日本新聞社

最終更新:5/8(月) 10:45

西日本新聞