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市民が偶然発見、珍しい発掘事例 海老名市立郷土資料館で展示公開

5/8(月) 12:03配信

カナロコ by 神奈川新聞

 3年前、海老名市民が偶然発見した市内初の古墳時代の副葬品の保存処理が終わり、同市国分南の市立郷土資料館「温故館」での展示公開がこのほど、始まった。公園内に保存されている上浜田古墳群第2号墳(同市浜田町)の墳頂部にさび付いた鉄剣の一部が風化によって露出したのがきっかけで調査が進み、珍しい発掘事例になった。

 温故館の常設展示コーナーに新たに加わったのは同古墳群第2号墳から出土した鉄剣(長さ約80センチ)1本、鉄鏃(やじり)2束、勾玉(まがたま)、管玉、ガラス玉など33点。市教育委員会が2015年3月に発掘調査して科学分析や保存処理が行われてきた。

 市教委によると、住宅地に残る同古墳群第2号墳は公園の一角に保存され、発掘調査は未実施だった。14年3月、園内で清掃活動していた近隣住民が高さ約5メートルの墳頂部に露出していた鉄剣を見つけたが、遺物と認識せず、危険だからと脇に撤去。その後、考古学に関心があった別の市民が気付き、市教委に届け出たおかげで、今回の貴重な発見に結び付いた。

 市教委が実施した調査・分析結果をまとめた報告書によれば、鉄剣は杉のさやに入った状態で、つかの部分は欠損し、その長さから有力者の所有物とみられる。築造時期は、県内でも少ない古墳時代中期の5世紀後半と判明した。

 6基が点在する上浜田古墳群からはつぼ、高杯、埴輪(はにわ)など土器類の出土が多く、鉄剣や勾玉などの副葬品は見つかっていなかった。第2号墳は覆っていた土が時間の経過とともに次第に流出、鉄剣を含めて遺物が深さ数センチの浅い範囲で集中的に発見されており、調査が遅れれば散逸の可能性もあったという。

 同市教委は「国指定史跡の秋葉山古墳群に比べて今回の古墳はそれほど有名ではなかった。異例の経過をたどったものの、市内屈指の貴重な出土品が展示できたのでぜひ見てほしい」と話している。